毒親と知るにはまだ遠く

2018年。時はコロナ前の年始。

毎年、年始年末はビール飲み仲間の気の良い年上、お子様なしご夫妻のお宅に紅白が始まる少し前からお邪魔し、一緒に紅白を見、年越しをして新年のご挨拶をしてから深夜運転で帰宅するのが恒例行事です。
料理はKくんがおせちを担当。お邪魔するご夫妻のお宅でもちょっと珍しいビールや美味しいおつまみを用意くださっています。

実家に帰らなくなって、もう何年になるのか。
そもそもお正月らしいお正月とは?
ーおせちは父親が食べない=子どもも食べない、母親も端から作る気などない
ー普段テレビ禁止なのにいきなり紅白だけ見たところで、何かの歌がわかるわけでもなく=紅白は見ない
ー親は両方とも親との折り合いが悪く=両親とも実家に帰ることはなくお年玉もない
ー初詣も神社に行ったことがなく

ただ学校が少し長めの休みなだけでした。

それが、家を離れたことでこんなにお正月らしいお正月を楽しく迎えることができるようになるなんて。

この年もこうやっていつもと変わらず普通に明けました。


年明け後成人式の連休最終日、わたしは右脇腹の痛みでまんじりともせず、朝を迎えました。痛みで寝れなかったのでスマホで症状を検索していましたが、該当しそうなのは盲腸でした。
「右脇腹だし、これは盲腸だよね…絶対盲腸だーーー!」

会社にとりあえず「腹痛で休みます」の連絡を入れ、隣の個人病院へ。おじいちゃん先生は「盲腸かな」と言われつつ、大きい病院へすぐ行くように紹介状を書かれました。Kくんはほぼフリーな仕事だったので、病院に車で連れて行ってもらいました。

検査の結果、盲腸ではなく、「ケイシツエン」ー憩室炎ー腸にボコッと空間ができていてそこに何かたまり炎症になっていました。「何か」に明らかに心当たりがありました。胃のバリウム検査の後、白くなった便があまりちゃんと出ていませんでした。CTにはちゃんと白いものが写っていました。

盲腸の予定で張り切ってオペの準備をしていた研修医は、腕を振るえなかったので、とても残念そうにわたしに説明をしました。

「あなたの腸は長いので、本来右脇腹にあるはずの盲腸は、そこにはない。もっとお腹の真ん中側にある。それから憩室炎になるのはは運が悪かっただけ。でもあなたの憩室は腸全体一面にびっしりとあって、もし今後大腸を切るようなことがあれば、接合する場所がないくらい憩室がたくさんある、憩室症です。」

憩室について調べると確かに原因は不明、ストレス?的なことが書いてありました。普通はあってももっと上の年代で、1つとか2つとか。
にしてもそんなにびっしりあって、今後大丈夫なのかしら。。。

かくしてそのまま緊急入院となり、5日飲まず食わず、10日寝られず過ごすことになりました。周りは爺さん、婆さんばかり。どうみてもわたしが一番若くて元気な患者でした。


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