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ブラックホール

ブラックホールには
終わりがあるんだって
吸い込んだものは
どうなるのかな

映画を見た後
喫茶店でコーヒーを飲んでる時に
突然、彼が言い出した。

「なにいきなり?」

私はコーヒーを吹き出しそうになりながら
やっとの事で答えた。

「いやさ、この間さ、なんかのなんかできいたのよ〜」

(始まった、なんかのなんかってなんなのよ)
私は軽くため息をついた

「教養なんてないからさ
強要に考えてみるんだけどさ」

彼は目をキラキラと光らせて
話しだした。
こうなると、私の事など眼中にない。

ブラックホールは宇宙の大きな穴で
かっては「終わり」がないと言われていたが、今は実は「終わり」があるのでは?といわれている。

じゃあ、吸い込まれた物体は
一体どうなっているのか、ってなるじゃん。

実はさ、そこには数年前に宇宙で行方不明になった宇宙飛行士がいて生活しているわけ。

でさ、吸い込まれてきた物体から、生活に必要なものを作って、後は液体かけて
ブツブツと泡を出し跡形もなくしていくんだって。

吸い込んだ物体の中には「星のかけら」もあって、それを加工してアクセサリーを作って
隣の惑星まで売りにいく

星のかけらのアクセサリー
キラキラひかる姿は宝石のようで
高く売れるんだって

ブラックホールの中に住む人達は
ちょっと裕福らしくて
ひっそりと色々作って周りの惑星を
掌握して宇宙支配を狙ってるらしいんだ。

実は地球にもこっそりと輸出している
なんて話をあるんだよ
まさか!と思うでしょ?

彼はここまで一気に話すと
ぬるくなったコーヒーを口に含み
「にがっ!」と叫んだ。

「そんな話、誰に聞いたの?また、都市伝説でしょ?」

私の言葉に人差し指を立てて、口の前で
チッチッと振った。

「然るべき場所から聞いた話だよ。
地球も危ないらしい。行方不明になった宇宙飛行士が地球人に恨みを持って復讐の機会を狙ってる、ってさ。」

目を爛々とさせ、頬を上気させながら、彼はいった。

まさか…という私に

「まぁ、そう思っていられるうちが幸せかもね…」と彼は言った

いらっしゃいませ!

「おっと!誰かがきたみたいこの話は内密に」
言いながら振り返った彼が固まった

何処で見たような顔の黒い服の人達が
こちらに向かって歩いてきた
「久しぶりの地球は…」

えっ?

彼は立ち上がり
「店を出よう」と言って私の手を引っ張った

それに気づいた黒服達が追いかけてきた

彼が早く早くと手を引っ張るが、足がもつれて転んでしまった。

もうだめだ!と目を瞑った

あれ?
なんか静かだ。

私は恐る恐る目を開けた

あれ?ここは?

そこは私の部屋で
私はベッドの上で寝ていた。

何?今の?
妄想が見せた夢?
それにしても妙にリアルだったなぁ


私は額の汗…えっ?血?

足元には砕かれたガラスの破片
あー、これで切ったんだ。

そう言えば、私には彼氏はいない

やっぱり夢か…

私は時計を見た
まだ、夜中の3時だ、寝直そうと寝返りを打とうとした
❗️❗️
「大丈夫です。夢だと思ってます。我々の計画はばれてません!」
「あのおしゃべりやろうが、余計な事をペラペラと…」

えっ?えっ?
薄めをあけてみた先に

壁に貼られた宇宙飛行士と
人工衛星がきらりと光っていた

宇宙飛行士と目があった…ような気がした途端、私は深い眠りに落ちた。





…なんてね

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