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蒼い

雨上がりの空は
ピーンと背伸ばす
綿菓子みたいな雲は
いたづら好きな風に押されて
空を泳ぐ

それを見て鬱蒼とする
ワタクシの心の森が毒を吐く

青い空は黙っている
蒼い風は
ワタクシの髪を弄ぶ
碧い言葉は悲し気に
小さな声で囁いた

蒼い風が悲しげに揺れはじめ

気に実る青い実は
静かに頭を垂れる

碧い言葉はふらふらと
強い風に押されて
バラバラになる

バラバラになった碧い言葉は
種になり
種は地上にたどり着いて
花を咲かせ
『…』
二言三言囁いた

鬱蒼とした森に
蒼い風が吹き
蒼く澄み渡る空と
どこまで深い
蒼い海が現れた

鬱蒼とした心は
青い涙を流した

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