わたしの読書遍歴ー高校生編①ー
高校は電車通学で、電車に揺られている時間は片道50分、往復で100分。
読書をしやすい時間も多かったこともあり、高校の頃はかなり読書をした。
読書の入り口はアガサ・クリスティ?!
高校に入ってからできた友達が、よく本を読む子だった。
通っていた高校は別だったので、毎朝の通学電車だけが一緒にいる時間だった。
「ねぇねぇ、これさー、意味わかんないんだけど、どう思う?」と、差し出してきたのは、アガサ・クリスティの本。
もちろんアガサ・クリスティなど知る訳もなく「何の本?」と訊くところから始まった。もう1人一緒にいた子は、博学な子だったので「あぁ、アガサね」みたいな感じだったが、私は名前すら知らなかった。
アガサ・クリスティは推理小説作家、とのことだった。
「江戸川乱歩みたいなことだよ」とか説明をされた記憶もあるが、それもあんまりピンとはこないレベルだった。
電車で推理ゲーム
「だってさ、このページでは”●●は●●だった”と書いてあってさ、次のページ
に、”私はただ●●するしかなかった”とだけ書かれて話が終わってるの!え? 何? で? 結論は何なの? あーー!すっきりしない!!」
という彼女のイラダチから始まって、みんなでいろんな推理をして遊んだ記憶がある。
「だったら、●●が犯人じゃないの?」
「いや、違う。だって、●●はアリバイがあるよ」
「でもさー」
「いやいや、違うってば」
みたいな感じだった。
結局、推理の範疇を越えないので、誰も犯人が分からず、そのまま駅について「じゃ」とそれぞれの高校に散っていった。
(今みたいにネットで何でも調べられる時代ではなかったのも良かったのかも知れない。今なら即座ににみんなでググっていると思う。)
わたしも、本を読んでみよう。
なんか、かっこいいなぁ。”アガサ・クリスティ読んでます”とか、ちょっと言ってみたいなぁ…という不純な動機で、わたしも本を買ってみることとした。
入ったのは街の小さな本屋さん。
入ったは良いものの、何をどう探していいかもわからない。特に読みたいジャンルもないし、どうしたら良いものか。
とりあえず、「読みやすいヤツにしよう」という意志だけを持って、ぼーっと単行本のタイトルを眺めていた。
そこでなぜか手にとったのが
「オーケンののほほんと熱い国へ行く」大槻ケンヂ著
だった。
未だに、何故この本を背表紙だけで手にとったかは全くわからないが、恥じらいもなく言ってしまえば、この出会いは「運命」だったと思う。この本と出会っていなかったら、今の私はここにいない、という人生の分岐点ともなる出会いになった。
何故手にとったかは覚えていないが、手にとって、購入するまでのことは覚えている。まず立ち読み。オーケンの語り口が面白く、ちょっと読んだだけでも充分に面白かったし、行ったことのない異国の話にワクワクした。またページ数も約200ページとライトで、「これなら最後までちゃんと読めそう」と思った。
当時、大槻ケンヂのことを深くは知らず、「メイクしてバントやっていて、TVでたまに見る人」というレベルの認識だった。「へー、本もたくさん書いているだ」と思った程度だ。ここからオーケンの本ばかりを読むコトになるとは…。
このお話の続きはまた次回に。
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