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浅草の老舗“満寿屋”さんでオリジナルの原稿用紙をオーダーした話

先日、東京浅草の原稿用紙の老舗“満寿屋”さんにいって(正式な会社名は舛屋。満寿屋はブランド名になる。)名入り原稿用紙のオーダーをした。

ヘッダー画像にも書いてるように、長時間相談に乗ってもらい、色々冒険的なことも考えたあげく、結果、結局、満寿屋さんに元からある定番商品No.102(灰色の横広の障子マス(ルビ無し)でB5サイズ)を少しカスタムしたような原稿用紙におちついた。
はじめてのオーダー原稿用紙だから、冒険は次からでもいいかなと思った。

今回作ったのは、B5の原稿用紙。いわゆるオーソドックスな、小説や作文等で使う400字詰めのB4の、半分にあたる200字詰め。
A4やB5だとファイルをしたり持ち運びもしやすい。
あと、手紙に使いたかったので、封筒にスッと入りやすいサイズにしたかった。B5の原稿用紙は満寿屋さんの定番品の中にもいくつか存在する。

紙は目に優しいクリーム紙と、インクの色そのままが表現できる白いデラックス紙。満寿屋さんオリジナルは、クリーム紙だということで、そちらにした。

定番品をカスタムしたものと先ほど言ったが、オリジナリティが全くないというわけではない。以下こだわった個所を挙げてみる。

おこだわりどころ①
罫線の色。
罫線の色は夏休みに書いた読書感想文の原稿用紙の色をイメージした色。
青みの緑、みたいな色。
実は、元々は赤にしようと思っていたのだが、満寿屋さんに訪れたとき、過去につくってきた原稿用紙のサンプルを見せてもらったところ、その中にこの色があり、すごく気に入ってしまいこの色にした。
罫線の色を考えるときは、自分が何色のインクを使うことが多いのかを考えた方がいい。私は手持ちは青系のインクが多く、赤い罫線だとうまく合わなかったかもしれない。この色にしてよかったと思う。

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おこだわりどころ②
一番上の横線だけ、他の線よりも太い線になっている。(上の写真参照)
この原稿用紙は実は横書きにも使えるので、横に使う場合、上に題字を書きこみやすい雰囲気にしたかったため。
原稿用紙自体も、上部分の余白が一番余裕があるようになっている。
あと、せっかく可愛い色なので、色が目立つ部分がほしかったから。
もう少し太くてもよかったかもしれない。

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おこだわりどころ③
名入り。
名前の位置は原稿用紙を縦に使った時も横に使った時にも違和感がないように、名前は下部中央にした。通常、苗字と名前の間にスペースを入れるらしいのだが、中央5文字なので“藤原”と“嗚呼子”の間のスペースは無くしてもらった。
名前のフォントは“楷書体”、“行書体”、“宋朝体”、“明朝体”、“ブロック体”の基本は5書体から選べるとのことだが、自分で画像としてデータを用意できる場合は、それに限らない。会社のロゴを入れたり、印章を入れたりする人もいるらしい。
私は宋朝体にした。
レトロな感じが原稿用紙のノスタルジーさと合っていて素敵。
明朝が明時代の字というのはどこかで聞いたことあったけど、ならばこれは宋の時代に作られた文字ということになのか?…だとすれば、レトロどころかなり古い書体なわけだ。(※ちょっと調べて見ると、宋の時代にの木版印刷に使われた書体だそう。)

オーダーをしてだいたい1か月近く(年末年始を挟みました)で届いたのだが、仕上がりを見て大満足。

まず当然のように万年筆での筆記に向いていて、とても書きやすい。
あと、私の残念な字でも、なんとなく文字が映えるような気も…!
原稿用紙のマス目の大きさにもよると思うが、私の作った原稿用紙なら、ちょっと太い万年筆(Mくらい)を使ったりした方が、罫線に負けずのびのびと書けるような気がする。

オーダーメイドは二度三度楽しい。
オリジナルを考える段階、注文を心待ちに期待する段階、届いたときの喜び。そして自分の紙があるという喜び。
届いたばかりだが、今度は何を作ろうかなという気分になった。
満寿屋さんでは原稿用紙のほか一筆箋などもオーダーできる。


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