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平和とはドーナツの穴

「戦争がドーナッツだとすると、真ん中の穴が平和なのかもしれないな」

作家の原田宗典さんの「やや黄色い熱をおびた旅人」という著作の中の一節です。
原田さんの小説には、なんとも言えない空気感があります。
廃退とも自虐ともあきらめとも違う、どこか達観したような雰囲気。
上に抜粋した一節の前には、こんな文章が紡がれています。

「戦争」はこんなにも具体的であるのに、「平和」とは何と抽象的なものだろう。
話せば話すほど、「平和」の姿はかえって見えなくなってくる。

「平和」も「幸せ」も「希望」も「時間」も、生きていくのに大切な何かって、どれもドーナツの穴のように感じます。
物事を見るとき、見えやすいドーナツにあたる何かを見て、その内側にあって見えにくい大切な存在を見ることの出来る人になりたいな。

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