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メトロポリタン美術館展①

今日はずっと楽しみにしていたメトロポリタン美術館展に行きました!

まさに美の宴始まってました。至福の時間でした。

熱の冷めきらないこの気持ちのままに、魅力をお伝えできればと思います。行ってみたいなと思ってもらえれば幸いです。


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↑大阪市立美術館、館内がきらきらしていてとても素敵…!

魅力① 豪華な画家たちの共演

このメトロポリタン美術館展、とにかく名前を聞いたことがあり、かつ美術史上重要な画家ばかり。

クラーナハ、エル・グレコ、ヴェロネーゼ、ティツィアーノ、ルーベンス、ベラスケス、カラヴァッジョ、ムリーリョ、ラ・トゥール、プッサン、フェルメール、レンブラント、シャルダン、ブーシェ、クールベ、コロー、ゴヤ、マネ、ルノワール、モネ、……。

ごめんなさい、豪華なラインナップすぎて止まりません。個人的には話題の芸能人が集まる特番より何百倍も激アツでした。

画集ではなく、美術館で本物を見るということは、作品を通じて、この巨匠たちと彼らが見ていた光景を共有できるということ。彼らがどのように作品と相対し制作していたのか、また、当時作品を見た人々はどのように感じたのか、こういったことに想いを馳せられ、とても幸せでした。

魅力② 西洋美術史を見渡せる

個人的に最大のな魅力はこの点です。

バランス良くコレクションを持つ美術館のこうした展覧会って、西洋美術史を概観するのにとても勉強になりますよね。美術史を学ぶ私はこの構成が大好きです。(昨年の「ロンドン・ナショナルギャラリー展」も良かったですね!)

歩みを進めるにつれ、絵の特徴も徐々に変わっていきます。その中で影響関係を考えながら鑑賞するのがとてもわくわくします。

例えば、盛期ルネサンスの画家ティツィアーノの粗めの筆触は、バロック期にスペインで活躍したベラスケスに影響を与えていると言われます。

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ティツィアーノ《ヴィーナスとアドニス》(1550年代)

細部まで見てもらうとわかるのですが、ヴィーナスの足下の布の表現や右下の草など、筆遣いは粗めです。初期のティツィアーノからの変化がわかる部分ですね。ただ、ヴィーナスの裸体はものすごく注力した様子がうかがえます。


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ベラスケスと工房《オリバーレス伯公爵ガスパール・デ・グスマン》(1636年頃/以降)

ベラスケスの作品も、近づいてみると筆触はだいぶ粗いことがわかります。ベラスケスの作品って、近づいて見ると本当に大雑把な筆遣いなのに、離れてみるとそれを全然感じさせないところが面白いです。

このような時代を隔てているもの同士の共通点を、実際の作品を見ながら見つける過程ってとても楽しいです。

まだ、同時代でも地域が異なれば特徴も変わってきます。

例えば、先程のベラスケスの作品(1636年頃/以降)と制作年代の近い、1628年のピーテル・クラースの絵画。同じバロック期に分類されていますが、特徴は全く異なります。

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ピーテル・クラース《髑髏と羽ペンのある静物》(1628年)

オランダ静物画に分類されるこの作品では、細緻な描き込みが圧巻です。

おそらくこれは、北方に連なる細密な描写の流れを汲んでいるように思われます。

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ペトルス・クリストゥス《キリストの哀悼》(1450年頃)

この画家は、北方ルネサンスの巨匠ヤン・ファン・エイク(《アルノルフィーニ夫妻像》で有名)没後に活躍したそうです。キリストの裸体の迫真的な描写、キリストを支える左側の人物(アリマタヤのヨセフ〉の剣や腰の飾りの金の輝き、どこに目を向けても緻密に描き込まれています。

上記で紹介した作品は、全て今展覧会で展示されています。イタリアルネサンスとバロック期のスペイン、バロック期のスペインとオランダ、バロック期のオランダと北方ルネサンス、それぞれ見比べてみました。このような時代と地域を横断した比較を本物を見ながら一挙に行える、とても贅沢な体験が展覧会では可能です。

魅力③ 本物を見ることでの実感

私が作品を見た中で、特に感動したのはフェルメールでした。

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ヨハネス・フェルメール《信仰の寓意》(1670-72頃)

この画像でも十分素敵なのですが、本物はやはり比になりません。

テーブルの上の杯やキリストの磔刑像、女性の衣服に見られる光の粒の表現、天上から吊るされたガラス玉の描写、実物はよりフェルメールの技量を伝えてくれます。

また、左側のタペストリー、大理石の床、絨毯など、各要素には柄がしっかりと描かれており、どれを見ても手が込んでいることがわかります。しかし、それぞれは主張しすぎることなく、見ていて窮屈さなど一切感じさせません。まさに「画面全体の調和」を目に見て実感しました。

おわりに

本当に一言でこの展覧会を表すと「豪華」!!とても贅沢で幸せな時間を過ごせました。

実は時間が足りず、三章を十分に見ていませんので、19日に再度訪れる予定です。(何回いけるかな…)

売店の行列がすごくて、注目の展覧会だと再認識。

西洋美術のフルコースのような展覧会です! ぜひ訪れてみてください。

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