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自分の心を落ち着けてくれる、やさしい絵本

もともと楽観的なので、悩みを引きずることってほとんどありません。特に仕事関係では、落ち込んだり、悩んだりする暇があるなら目の前のことをこなす!そして失敗は引きずるな!と上司が教えてくれたおかげで、ストレス耐性が強くなったのがわたしの社会人スキルの一番の取り柄かもと思うほど。(いいのかわかりませんが)

そんなわたしでも、この1ヶ月は気持ちの上下が激しくなりました。理由は明らかで、コロナで外に出られない不安、ストレスに加え、流産宣告があったのが何よりも大きいです。もういい大人なんだから、自分の機嫌くらい自分でとろう!と思うし、何があってもどんと構えていたい!とも思う。

だから、最近は気持ちが落ち込みかけたときに少しでも気持ちを上向けてくれるというか、心を落ち着けてくれる「本」を読むことが増えました。

中でも、自分を肯定しながらもやさしく励ましてくれた一冊について独断と偏見による感想文を書きたいと思います。

「もしものせかい」 ヨシタケシンスケ

ヨシタケさんの絵本はどれも好きで、「ころべばいいのに」とかもすごく好き。こんな感情になるなんて自分どれだけ性格悪いの、、、と後ろ向きになりそうなことでも、やさしく肯定してくれるというか(笑)かわいくてゆる〜いイラストとやさしい言葉は、すっと心に入ってくることが多い気がします。

そんなヨシタケさんの新刊。何かの記事で、「とても悲しいこと」があって、書いた本だとおっしゃっていたと記憶しています。その「悲しいこと」は何だったのか言及はされていませんが、乗り越えたからこそのやさしい言葉がたくさんたくさん、紡がれているような気がします。

もしも なにかを なくしたら。 もしも もどって こないなら。

これは帯にも書かれている言葉ですが、自分が描いていたはずの未来、選ばなかったこと、なくしたものはたくさんあるはずで。でも、それらは、「もしもの世界=自分の心の中」にある。ある場所が変わるだけ。そして、その「もしもの世界」が大きければ大きいほど、自分のいる世界も豊かになる。だからどちらの世界も大切に育てていこう。っていう言葉(ニュアンスです)が、本当にやさしいなぁと思ったのです。

今回した経験は忘れなくてもよくて、むしろ、この経験があったからもっともっと豊かな世界を自分は生きることができるんだ、って。もちろん、これまでにも何度も悲しいこと、悩んで手放したもの、選ばなかったことがあるわけで、それらすべてが今の自分につながっているということを肯定してくれたのがこの本です。

きっとこの先も、何かつらいことや悲しいことがあったとき、心を落ち着けたいときには、手にとる絵本になるような気がしています。

この本に描かれているように、一つひとつの経験が無駄じゃなくて、自分を豊かにしてくれる要素になるんだと自分で自分を勇気付けたい。

そして、しなやかで強くて、おおらかな人になりたいなぁと今日も思います。日々、鍛錬。

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