私とカメラのおつきあい(7)~初のミラーレス一眼、でもガッカリ~
第7回は、初めて導入したミラーレス一眼の事について話したいと思う。
初めてのミラーレス一眼
「ミラーレス一眼」と言えば今や主流の一眼カメラとなってしまったが、私が一眼レフを購入した当時(2015年)はまだ数が少なかった。
初めてのミラーレス一眼はこの機種だった。
EOS M3である。
キヤノンのミラーレス一眼はEF-Mマウントを有する「EOS M」が初めてとなったが、その第3シリーズがこの機種となる。
購入したのはEF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STMとEF-M22mm F2 STMのレンズキット。
EOS M3は前モデルEOS M2の後継機種で、M2では簡易的な物だったグリップが本格的に握りやすいような形状に変わり、中・上級者のサブカメラとして扱えるようなカメラとなった。なお、M2まではファインダーを搭載しておらず、このM3になって別売りではあるものの外付けのファインダーが使用出来るようになった。同時にモードダイヤルもEOS Mシリーズとしては初めて搭載された。
こちらはサブ機としての利用を考えていたため、スナップ写真の他に鉄道写真でも利用出来ると思っていた。しかし、まさかの期待を裏切る結果になろうとはこの時思ってもいなかった。
EOS M3とのお付き合い
EOS M3を本格的に使う事となったのは、2015年11月の神宮外苑イチョウ並木の撮影からだった。丁度この時メイン機として利用していたEOS Kiss X7iのフォーカシングスクリーンに汚れの様なものが見えており、キヤノンのサービスセンターに預けてもらったのだ。
以下はEOS M3で撮影したイチョウ並木の写真である。
イチョウ並木などスナップ撮影する分には何ら支障なかったのだが、問題は鉄道などの動きものを撮影した時である。サーボAFモードに切り替え、連写設定にしていざ撮影しようとしたところ、
丁度良いチャンスなのにピントが合わず、シャッターボタンが下りなかったのだ。
動きものなので一眼レフ同様、サーボAFモードにしていたのだが頑張ってやっても何故かピントを外してシャッターまでの時間がかかってしまいハズレ写真を引く羽目に・・・。その後も幾度か挑戦してみたが変化なし。
そうと解れば私はこのように対処した。
敢えてワンショット撮影にして「置きピン」で勝負。
その結果がこちらである。
置きピンで何とか撮影出来る感じとなった。しかし、EOS M3のサーボAF時に何故シャッターが下りなかったのかの原因を探ることにした。
サーボAFに「ガッカリ」した原因
EOS M3のサーボAFが使い物にならないと解った私は、動き物に際して置きピンで何とか成功した。
何故ガッカリしたのかの原因、それはEOS M3のAF方式にあった。
「ハイブリッドCMOS AF III」
これは高速AFを実現するためのキヤノンの技術だったのだが、実はEOS M3販売時、前モデルのM2含めキヤノンのミラーレス一眼は「AFが遅い」など色々揶揄されていた。これがキヤノン製ミラーレス一眼の恒常的な弱点になろうとは誰もが思ってもいなかったのだ。
ハイブリッドCMOS AF IIIは、位相差AFとコントラストAFを併用するAF方式であるが、EOS M3では最も高速な時だけしか位相差AFが働かなかった。EOS MとM2は「ハイブリッドCMOS AF II」であったが、M3ではIIIに変わって一応は速くなったとされているが、私は体感では早くなったものの、動き物が弱い点は改善されていなかった。もしかしたらたまたま鉄道撮影したときだけ位相差AFが働かなかった可能性もあると思われる。
その後EOS M5で初搭載される「デュアルピクセルCMOS AF」は、当時キヤノンのエントリー一眼レフやミラーレス一眼には採用しておらず、中級機(EOS2桁D)のライブビュー用のAFに用いられた程度だった。
EOS M3が「デュアルピクセルCMOS AF」で搭載してくれれば、動き物の撮影改善には繋がっていただろうかと思うが、中級機以上に採用されていたことを考えると、そこまで手が廻らなかったのであろう。
お付き合い終了
思ったより使うことが出来なかったEOS M3は、当時使用していたEF-Mレンズと共に残念ながら売却する方向となり、一眼レフ機EOS 8000Dを導入する事にした。
ガッカリ案件以降、キヤノンのミラーレスは買わない方向でいたのだが、次の機種で改善出来ていればまたEF-Mを購入しようと決めていた。
初めから高速AFであれば結構売れたと思うEOS M3だったが、残念ながら実際そこまで売れる事は無かったようだ。しかし、それが後に登場するEOS M5に火をつける事となったのは言うまでもない。
EOS 8000Dについては動きものも「良し」だったので、しばらくはEOS 8000DとEOS Kiss X7iで様子見をする事に。一眼レフについてはその後メイン機がEOS 80Dに変わるが、8000Dはサブ機として引き続き使用し続けた。
あるミラーレス機に着目
EOS M3で失敗した私はキヤノンのミラーレス機ではなく、他メーカーのミラーレス機に着目した。
それは今まで持ったことのないメーカーであり、私としても初めてとなった。「このミラーレス機だったら動き物は大丈夫だろう」と。
― 次回へ続く
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