見出し画像

広角・超広角レンズについて

「広角レンズ」は標準域である50mmより小さいレンズを指します。一般的には10~35mmぐらいのレンズが該当します。
主に風景写真等に用いられることが多いレンズになりますね。


広角・超広角レンズの種類

広角レンズには「広角」「超広角」の2種類が存在しますが、21mmが境目となっており、

~21mm:超広角レンズ
21mm~35mm:広角レンズ

としているようです。
焦点距離については下記リンクにも詳しく記載していますので、是非ご覧ください。

なお、イメージセンサーによって広角・超広角の範囲が異なりますのでご注意を。
各センサーサイズにおける焦点距離は以下の通り。

中判:35mm~65mm
フルサイズ:10~35mm
APS-C:8~22mm
マイクロフォーサーズ:7~17mm

「17mmスタートの広角レンズ購入したけど、何か違う?」と思ったらお手元にあるカメラのセンサーサイズを調べてみてください。

各センサーサイズの換算倍率と計算方法は次の通りです。
中判:0.8倍 レンズの焦点距離×0.8
フルサイズ:1倍 レンズの焦点距離×1
APS-H:1.3倍 レンズの焦点距離×1.3
APS-C:1.5倍 レンズの焦点距離×1.5
APS-C{キヤノン}:1.6倍 レンズの焦点距離×1.6
Foveon:1.7倍 レンズの焦点距離×1.7
マイクロフォーサーズ:2倍 レンズの焦点距離×2

一眼レフ機やミラーレス機には初心者や入門者向けに「レンズキット」「ダブルレンズキット」「ダブルズームキット」等と言ったレンズを含めて販売していますが、このレンズに使われているのは

・標準ズームレンズのみ
・標準ズームレンズ、望遠ズームレンズ
・標準ズームレンズ、単焦点レンズ
・単焦点レンズのみ

であり、レンズが含まれていても「広角レンズ」は何処にも見当たりません。標準レンズと言っても大半は24・25・28mm程度が多く、広角レンズほど広く撮影出来るものはありません。
(かつてキヤノンでは「トリプルズームキット」として広角ズームレンズが含まれているものが発売されていた)

広角レンズはズームレンズもあれば、ズームしない単焦点レンズもあります。現行販売されている国産メーカーの広角・超広角レンズは以下の通り。
(標準ズーム含む。魚眼、シネマレンズ除く)

キヤノン(一眼レフ用)
17種類(うちAPS-C機用は5種類)

キヤノン(ミラーレス用)
11種類(うちAPS-C機用は4種類)

ニコン(一眼レフ、Fマウント用)
16種類(うちDXフォーマットは4種類)

ニコン(ミラーレス、Zマウント用)
10種類(うちDXフォーマットは1種類)

ソニー(一眼レフ、Aマウント用)
2種類

ソニー(ミラーレス、Eマウント用)
30種類(うちAPS-C機用は13種類)

ペンタックス(一眼レフ、Kマウント用)
18種類(うちAPS-C機用は12種類)

ペンタックス(一眼レフ、645マウント用)
3種類

オリンパス(OMDS)※マイクロフォーサーズ用のみ
10種類

パナソニック(Lマウント用)
6種類

パナソニック(マイクロフォーサーズ用)
12種類

富士フイルム(Gマウント用)※中判サイズ
2種類

富士フイルム(Xマウント用)
14種類

シグマ(一眼レフ用)
9種類(うちAPS-C用1種類)

シグマ(ミラーレス用)
4種類(うちAPS-C・MFT用1種類)

タムロン(一眼レフ用)
9種類(うちAPS-C用5種類)

タムロン(ミラーレス用)
7種類(うちAPS-C用3種類、MFT用1種類)

※詳しくは各カメラ・レンズ会社の公式HPからご覧ください。


広角・超広角レンズの使い方

皆さんは、「広角」「超広角」と聞いて、

画像1

このように広い範囲を写し出すレンズと思いがちかと思います。
あながち嘘ではありませんが、この写真だとありきたりな感じが・・・。

広い範囲を写し取るのもOKですが、撮影アングルなどを変えてみると良い感じになります。その例がこちら。

画像2

これは2021年3月に靖国神社にて撮影した桜の木。
丁度満開時に撮影したので非常に賑わっていましたね。立ち位置にて少し上へ向けて撮影しました。桜が目一杯に広がっている感じがしてきますよね。
夜間でライトアップをしていればもう少し良くなったかも知れません。
(Canon EOS Kiss M + EF-M11-22mm F4-5.6 IS STMで撮影)

2つ目はローアングルからの撮影。
私の場合だと建物の撮影で多く利用します。特に東京都内の有名なビルなどは高いため標準レンズでは収まりきれない場所が多いかと思います。
そんな時に広角レンズを使用するとどうなるでしょうか?

撮影例がこちら。

画像3

夕暮れの六本木ヒルズ森タワーをローアングルかつ最も広角側で撮影。
高さが238mもある建物なので、標準レンズではローアングルでギリギリかな・・・と言ったところ。
でも広角レンズであればそんな心配はありません。広角端に合わせれば難なくすっぽりと入ってしまいます!
(Canon EOS 80D + 10-24mm F/3.5-4.5 Di II VC HLDで撮影)

3つ目は被写体に近づけてダイナミックに写し取れること。
広角レンズは標準レンズと異なり、マクロレンズほどではありませんが接写が可能。
焦点距離を広角端側に合わせれば雰囲気が変わってきます。

撮影例はこちら。

画像4

レンズを広角端側に合わせ蕎麦の花に近づけて撮影。
花のアップだけではつまらないので、たまには違うアングルが良いかなと思い撮影しましたが、案外良い出来でしたね。
(Canon EOS Kiss X9 + 10-24mm F/3.5-4.5 Di II VC HLDで撮影)

画像5

こちらはヒガンバナの花に近づけてローアングル撮影。
被写体に近づけられる広角レンズでしか写し取れないカットと言えますね。
(Canon EOS 6D Mark II + EF16-35mm F4L IS USMで撮影)


どんな広角・超広角レンズがおすすめ?

「広角レンズ」「超広角レンズ」と言ってもいっぱい種類があるのでどれにしようか迷う!
そんなあなた向けに、どれがおすすめなのかをお教えしましょう。

まずはとにかく使ってみたい!方向け
初心者レベルの場合は、「広角レンズがどんなものなのか使ってみたい!」という方が多いかと思います。
そんな場合は安く手に入る広角レンズが良いでしょう。

安価で手に入る広角レンズの例です。
・EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM
・EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
・AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR
・10-24mm F/3.5-4.5 Di II VC HLD

画質に拘りたい方向け
中・上級者の場合は画質にも拘って来るかと思います。
その場合は高級クラスのレンズを狙うと良いでしょう。金銭面に余裕のある方は高価格帯を狙うのも1つの手。

高級クラスの広角レンズの例です。
・EF16-35mm F4L IS USM
・EF16-35mm F2.8L IS III USM
・AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
・NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
・HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW 
・FE 16-35mm F2.8 GM
・LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
・LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.
・M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
・14-24mm F2.8 DG HSM Art
・14-24mm F2.8 DG DN Art
・SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A041)


最後に

今回は広角・超広角レンズについてお伝えしてきましたが、皆さんも広角レンズに興味を持った方もいらっしゃるかと思います。
まだ必要ない!とお思いの方もいるかと思いますので、最後に少しだけご説明しますね。

画像6

実はレンズキットなどに設定されている標準レンズの広角端側は、意外と広く撮影出来るものがあります。広角レンズはまだ必要ない!と言う方はレンズの広角端側を利用して撮影してみてください。

皆さんも広角レンズを使用した撮影に是非チャレンジしてみては?

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

私が執筆した記事をご覧いただきありがとうございます。 「記事が面白かった!」「興味が湧いた!」と思いましたらサポートをお願いします。 是非よろしくお願いします!