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カメラの「手ブレ補正」はどんなタイプが良い?

今時のカメラやスマートフォンのカメラでも必ずついてくる「手ブレ補正」。
今回はその「手ブレ補正」についてご説明していきたいと思います。


手ブレ補正の種類

現行販売されているカメラの手ブレ補正は、下記の3種類からなります。

レンズ内手ブレ補正

交換レンズ内に手ブレ補正を行うレンズを組み込み、それを上下などに動かしてブレを抑える方法のこと。
現行販売されているレンズの大半に搭載されているが、安価な単焦点レンズなどには搭載されていないケースがある。
採用メーカー:キヤノン・ニコン・ソニー(APS-C機の一部)

レンズ内手ブレ補正搭載機の例(Canon EOS 6D Mark II)
ボディ内に手ブレ補正の機能は搭載されておらず、レンズ内の手ブレ補正頼りとなる。


ボディ内手ブレ補正

ボディ(本体)内にあるイメージセンサーを動かしてブレを抑える方法のこと。この補正方法になると、交換レンズに手ブレ補正機構が搭載されていないものが多くなる。
中にはレンズ内とボディ内で協調制御するものも存在する。
採用メーカー(ボディ内のみ):ソニー・パナソニック・OMデジタルソリューションズ・ペンタックス・富士フイルム
採用メーカー(協調制御):キヤノン{RFマウント機のみ}・ニコン・パナソニック

ボディ内手ブレ補正搭載機の例(Panasonic LUMIX DC-G99)


電子手ブレ補正

イメージセンサーをクロップするなどしてブレを抑える方法のこと。
主にアクションカメラやビデオカメラの動画撮影時に用いるケースが多いが、画面がクロップされてしまうため広い範囲を撮影出来なくなると言う制約が発生する。
採用メーカー:GoPro、キヤノン、ソニー、JVCケンウッド

電子手ブレ補正搭載機の例(GoPro HERO8 Black)


各メーカーの手ブレ補正

  • キヤノン:IMAGE STABILIZER(イメージスタビライザー)

  • ニコン:Vibration Reduction(バイブレーション・リダクション)

  • ソニー:Steady Shot(ステディショット)

  • 富士フイルム:Optical Image Stabilization(オプティカルイメージスタビライゼーション)

  • ペンタックス:Shake Reduction(シェイクリダクション)

  • パナソニック:MEGA O.I.S.(メガ・オーアイエス)、Power O.I.S.(パワー・オーアイエス)、 Dual I.S.(デュアル・アイエス)

  • OMデジタルソリューションズ:名前なし

  • GoPro:HyperSmooth(ハイパースムース)

  • シグマ:Optical Stabilizer(オプティカルスタビライザー)

  • タムロン:Vibration Compensation(バイブレーション・コンペンセーション)

各メーカーとも商標回避のためか、手ブレ補正の名称が異なっています。


手ブレ補正の効き具合

レンズ内手ブレ補正

基本的にどれも強い方だが、特に強いのはタムロン。
どのレンズもガッチリ止めてくれるため、ちょっとのブレでも引き起こさないぐらい強力と言える。
シグマは強力なものもあれば弱いものもあるなど一長一短。USB DOCK対応機種で手ブレ補正のモード切り替えスイッチがあるもの(超望遠レンズなど)は強力にしたり弱めたりすることが所有者側で可能となる。
メーカー純正はガッチリとまではいかないが、殆どのブレは抑えてくれる。

強力な手ブレ補正を搭載するタムロン製レンズ
(100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD)


ボディ内手ブレ補正

どのメーカーも非常に強力だが、一番強力と言えるのはOMデジタルソリューションズだろう。
E-M5 Mark IIを所持している時、手ブレ補正なしのレンズでもガッチリとブレを抑えてくれた。しかし、パナソニックの様なDual I.S.(協調制御)が出来ないため、レンズ内の場合は自動的にレンズ内補正へと切り替わってしまうのが難点と言える。
協調制御の場合はキヤノン・パナソニック共に強力な手ブレ補正となるので、大きな変化は無し。

強力なボディ内手ブレ補正を持つオリンパス(現:OMDS)のミラーレス一眼
(OM-D E-M1 Mark II)


電子手ブレ補正

動画のみに限定したことではあるが、キヤノンとソニーは弱めか中程度。
強力なのはGoProに搭載されているHyperSmooth。ジンバル搭載時と同じくらい補正されており、ジンバルなしでもOKと言ったところか。


手ブレ補正はどれがいいの?

手ブレ補正の効き具合はメーカーによって異なるので、どれを取るかはあなたにかかっています。
レンズ内手ブレ補正(手ブレ補正をレンズに頼る)を行う機種については、手ブレ補正の無いレンズを取り付けると恩恵を受けることが出来なくなります。(ただし、三脚使用時を除く)

その一方、ボディ内手ブレ補正を搭載する機種については、レンズ内に手ブレ補正を搭載していない機種でも手ブレ補正の恩恵を受けることが出来るため、どのレンズでも手ブレを引き起こすことなく撮影が出来ます。
ボディ内手ブレ補正を搭載する機種に手ブレ補正なしのレンズを装着し、撮影したものが下記記事にて掲載していますので、ご参考まで。
(「夜間撮影」の項目をご覧ください)

オールドレンズやマニュアルフォーカスレンズで撮影する場合、手ブレ補正を気にするのであれば、ボディ内手ブレ補正を搭載した機種が宜しいでしょう。

電子手ブレ補正は静止画では有効でないため、動画撮影時にその本領を発揮します。しかし、画像がクロップされてしまうので、広角で撮影したい時は別途ワイドコンバーターの搭載や広角レンズの搭載などを考えた方が宜しいのかも知れません。

ちなみに私の場合はレンズ内やボディ内に限らず、手ブレ補正機能が効けばどれでも構いません。
それにしてもキヤノンとして初めて搭載したレンズ・ボディ協調ISは、中々強力なものに仕上がっていると思いましたね。パナソニックの「Dual I.S.」と同じような機構ですが、性能はキヤノンの方が上でしたね。


最後に

今回は「カメラの「手ブレ補正」はどんなタイプが良い?」をお届けしました。
メーカーによって異なる手ブレ補正の効き方など、手ブレ補正一つ取ってもあらゆる特徴を持ち合わせています。どれが良いかはカメラ専門店や家電量販店でまずご自身の手に取ってみて確認しましょう。

今回はここまで。最後までご覧いただきありがとうございました。

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