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「撒き餌レンズ」は何のためにある?

「悪ども」関連の記事が多く、カメラ系は中々取り上げて来なかったので今回は取り上げてみたいと思います。

さて、皆さんもそろそろ外へ出かけたくなる方も多いのではないでしょうか? そうするとカメラを持ち歩く方も出てくるかと思われます。
今回は「「撒き餌レンズ」は何のためにある?」と言う事で、何故安いのに写り・ボケ感を味わえるレンズがあるのか?を取り上げていきたいと思います。


撒き餌レンズとは?

「撒き餌レンズ」・・・初見の方からは「???」と思う方も多いかと。
撒き餌レンズはこの様に言われています。


安価なのに高級レンズ並みに画質が良く、ボケ感までも味わえるレンズ


上記に当てはまるレンズが「撒き餌レンズ」と言われています。
ちなみに「撒き餌」とはこの様な意味を持ちます。

 餌をまいて与えること。
 魚や小鳥などを寄せ集めるために、餌をまくこと。また、その餌。寄せ餌。
 転じて、人々を誘惑するために広くばらまく金品。
引用:コトバンク「撒き餌とは」

要は、「価格を安くし、購買者があたかも餌に集まるかの様に販売しているレンズ」と言っても良いでしょう。購買者を鳥や鯉に例えれば理解出来るかと思います。
価格が安くて画質が良ければそりゃもう誰もが買ってしまいたくなりますよね。

それでは、実際に販売している撒き餌レンズをここでご紹介していきましょう。


撒き餌レンズ一覧

日本の大手カメラ製造企業では、必ずしも1台以上「撒き餌レンズ」を有しています。現行販売しているモデルは下記の通り。

キヤノン

  • EF40mm F2.8 STM

  • EF50mm F1.8 STM

  • EF-S24mm F2.8 STM

  • EF-M22mm F2 STM

  • RF50mm F1.8 STM

EF50mm F1.8 STM


ニコン

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

  • AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G

  • AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

  • NIKKOR Z 28mm f/2.8

  • NIKKOR Z 40mm f/2


ソニー(Eマウント)

  • FE 50mm F1.8

  • E 16mm F2.8

  • E 20mm F2.8

  • E 50mm F1.8 OSS

  • E 30mm F3.5 Macro

E 30mm F3.5 Macro


ペンタックス(Kマウント)

  • smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS

  • smc PENTAX-DA50mmF1.8

  • smc PENTAX-DA35mmF2.4AL

  • HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited


OMデジタルソリューションズ

  • M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8

  • M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8


パナソニック

  • LUMIX G 14mm/F2.5 II ASPH.

  • LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH.

  • LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.

  • LUMIX G 42.5mm/F1.7 ASPH./POWER O.I.S.

LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.


撒き餌レンズが発売されている意味

一眼カメラの交換レンズは安いものから高いものまで勢揃いですが、一般的に高いレンズを購入すると画質も良い傾向にあります。
では、何故「撒き餌レンズ」と呼ばれる価格を抑えて画質を良くしたレンズが販売されているのか?


答えは、2つあります。
1つは「レンズ交換を楽しむ」、もう1つは「高価なレンズを試したくなる」
と言うカメラメーカーの思惑なのです。


一眼カメラは、レンズ交換をする事でカメラの性格を変えることが出来ます。標準ズームレンズと望遠ズームレンズでは焦点距離の範囲も異なるので、写り方も異なってきます。レンズはズームレンズの他にズームしない「単焦点レンズ」が存在し、これを取り付けると焦点距離は固定されるため、ズームレンズと異なった性格を持つカメラへと変貌を遂げます。
カメラ初心者は、付属レンズのみで事足りる方も多いのでこの様な方向けに価格の安い「撒き餌レンズ」を販売している、これが1つ目の理由になります。

また、先ほども申し上げましたがレンズは安いものから高いものまでピンキリです。初心者がいきなり高価なレンズ(キヤノンLレンズなど)を購入するのは流石にどうか・・・と言うところでF値が低く画質やボケ感が素晴らしいレンズが目の中に飛び込んできます。
価格が安いから買ってみたところ、安いのに写りが素晴らしい!と感銘を受けてしまい、憧れの高価なレンズまで手を伸ばし始める様になるのです。これが2つ目の理由になります。

「撒き餌レンズ」は、カメラメーカーが「レンズ交換を楽しむ事」と、「高価なレンズを試して貰う」思惑が吹き込まれており、利用者の心理を突いた手法とも言えるのです。
(各メーカーで「おすすめレンズ」に入っているのもその1つだろう)


撒き餌レンズの購入が「レンズ沼」へと繋がるって本当?

撒き餌レンズと良くセットで飛び込んでくる言葉と言えば、


レンズ沼


ではないでしょうか。

レンズ沼は「交換レンズの写りの素晴らしさに感銘し、次々と交換レンズを購入してしまう」行動を指します。
(意味は異なりますが薬物乱用とかワーカホリックなどと一緒ですかね)
先ほどの項目にて「撒き餌レンズはレンズ交換を楽しむ、高価なレンズを試したくなるカメラメーカーの思惑」である事をご説明しました。


撒き餌レンズをきっかけにレンズ沼に嵌まる事はあるのですが、沼に嵌まるか嵌まらないかは利用者の意思にかかっています。


利用者によってはただ画質が良くても、ボケ感が気に食わない方もいらっしゃるので、この様な方はレンズ沼に嵌まりにくい方となるでしょう。逆に画質・ボケ感が気に入ってどんどん交換レンズを買い増しする方は、確実にレンズ沼へと嵌まります。

私の答えとしては「確実にレンズ沼へ繋がるとは言いづらい」でしょうね。
撒き餌レンズはある意味「沼に嵌まるか嵌まらないかを試されているレンズ」と言ってもおかしくは無いでしょう。


最後に

今回は「「撒き餌レンズ」は何のためにある?」をご紹介しました。
皆さんの中でもし一眼カメラを利用していれば、一度はこの様な撒き餌レンズを見た方もいるかと思います。一度家電量販店やカメラメーカーのショールームにて自分が所持している一眼カメラに合うか合わないか試す、これが最善と言えます。

写りを信じるか信じないかはあなた次第、それが「撒き餌レンズ」。
購入してみる価値はありですが、その後の運用は自分にかかっています。

当noteでは撒き餌レンズの1つである「RF50mm F1.8 STM」の撮影試験の記事も載せていますので、ご参考まで。


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