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物議を醸しだしているBCN+Rの記事

Xのトレンドに「カメラのリテラシー」が掲載されており、これを拝見したところある記事に辿り着いた。

こちらは「BCN+R」がパナソニックの最新ミラーレス一眼「LUMIX S9」を取り上げた記事である。

LUMIX S9と言えば、パナソニック公式HPに掲載されていた写真がストックフォトのものを使っている(※1)などで物議を醸しだしたカメラであるが、今回のBCN+Rでも物議を醸しだしたようだ。

今回物議を醸しだした一文がこちらである。

しかし、それなら同社が展開する小型カメラのフォーマット、マイクロフォーサーズのほうがはるかにふさわしい。なぜあえて大きなフルサイズセンサーを採用したのか。その理由はスマホとの分かりやすい差別化だ。パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションの副社長執行役員で、イメージングソリューション事業部の津村敏行 事業部長は「明らかに理解しやすいのはボケやすくノイズが少ないフルサイズセンサーのカメラ。まずフルサイズでスマホにない体験をしていただきたい。マイクロフォーサーズの利点を理解していただけるのは、むしろカメラに詳しい方々」と話す。また、パナソニック コンシューマーマーケティングジャパン本部 商品マーケティングセンター イメージマーケティング部 商品マーケティング課の塩見記章 課長は「カメラのリテラシーが低い人たちにとっては、マイクロフォーサーズは使いこなしが難しい。ボケる、ノイズが少ないフルサイズセンサーであれば、そうした方々にも乗りこなせる」と話す。

引用:BCN+R

この中で一番醸し出したのは、

「明らかに理解しやすいのはボケやすくノイズが少ないフルサイズセンサーのカメラ。まずフルサイズでスマホにない体験をしていただきたい。マイクロフォーサーズの利点を理解していただけるのは、むしろカメラに詳しい方々」

「カメラのリテラシーが低い人たちにとっては、マイクロフォーサーズは使いこなしが難しい。ボケる、ノイズが少ないフルサイズセンサーであれば、そうした方々にも乗りこなせる」

この2つである。

フルサイズセンサーのカメラは私も所持しており、ノイズの少なさやボケ感も非常に良く、特に夜間の撮影ではその本領を発揮する。ここまでは私も理解しているが、問題はマイクロフォーサーズに対する発言である。マイクロフォーサーズはマイクロフォーサーズなりの利点があるのに、どうしてこのような発言となってしまったのだろうか?

Xではこのようなポストが見られた。


私が推測したところ、
この発言、実際はしていない可能性が高いと思われる。


そもそもパナソニックのミラーレス一眼は、オリンパス(現:OMデジタルソリューションズ)と同じマイクロフォーサーズから始まり、フルサイズ機への参戦は2018年と比較的遅めである。

2018年に開催された「フォトキナ」にて、ライカ・パナソニック・シグマの3社で戦略的協業の「Lマウントアライアンス」を結んだ。ここからパナソニックのフルサイズ機の歩みが始まった。
マウントはライカが採用している「Lマウント」を採用。これはパナソニックがデジタルカメラに参入する際にライカと戦略的協業を結んでいたからである。LUMIXシリーズのコンパクトデジタルカメラにライカレンズを採用したことや、マイクロフォーサーズの交換レンズにおいてLEICA DGレンズの製造にまで及び、「パナライカ」の名前が定着するまで至っている。(※2)

「Lマウントアライアンス」は現在、最初に結んだ3社に加え、エルンスト・ライツ・ウェッツラー、DJI、サムヤン、アストロデザイン、ブラックマジックデザインの8社により構成されている。


では話を元に戻そう。
何故私はこの発言を「していない」と思ったのか?


それは、この話自体が「作り話」のように見えるからである。


どの企業であっても、他社のブランドを比較する事はあるが、自分のブランドを否定する事は殆どないと思って良い。
パナソニックにおいてマイクロフォーサーズ機は初心者向けから上級者向け、カジュアル志向から本格的な撮影ならびに動画撮影向けの機種を取り揃えるなど、あらゆる場面に利用出来る機種が備わっている。これはフルサイズ機になっても同様で、今回登場したS9のようなカジュアル志向や、本格的な撮影向けのS5II・S5IIXがある。
そのため、マイクロフォーサーズを貶すようなことは同じ陣営であってもしないはずである。

私もフルサイズ機を所有しているが、所有し始めたのは2018年のことであり、それまではAPS-C機を利用していた。ある程度慣れてからフルサイズ機に触れたのでAPS-C機を使いこなしてからの乗り換えとなった。焦点距離などが理解してきた今となっては、フルサイズ機からAPS-C機、はたまたマイクロフォーサーズ機まで使いこなせるようになっている。
フルサイズ機は、APS-C機やマイクロフォーサーズ機と比較すると、安くても20万円台前後と高額なのが特徴であり、初心者にとっては高嶺の花である。キヤノンのEOS-1D Xの様なプロ仕様ともなれば60~70万円台とさらに高額となる。

フルサイズ機はF値が低いレンズほど背景のボケが強く出るが、撮影者によってはこのボケ感を好きか嫌いかで分かれてしまう。好きな人もいれば、「背景がボケ過ぎてわけがわからない」など嫌いな人も一定数いると思って良いだろう。

フルサイズ機で撮影したあじさい。F値は開放側に合わせた。
この背景のボケ感を好きと捉えるか嫌いと捉えるかはあなた次第。
(Canon EOS RP + RF35mm F1.8 MACRO IS STMで撮影)

私にとってフルサイズ機は、「ある程度カメラの知識がないと乗りこなしは難しい」と思って良い。ただ、スマホのカメラのように疑似的なボケ感ではなく本当の意味でボケ感が出せるので、乗りこなしが出来るのは撮影者の腕次第である。

なので今回のBCN+Rの記事は、本当の発言を捻じ曲げているのではないかと推測される。昨今からマスコミの偏向報道が騒がれているので、BCN+Rはこの発言は本当にパナソニックの方が発言された内容なのかを今一度精査してほしい。
あと、タイトルの「冷たい靴」が気になる。カメラの「コールドシュー」(電子接点を持たないアクセサリー接合部)の事を指すのだろうかと思うが、どういう意図をもってこのようなタイトルにしたのだろうか? その点も精査して欲しいところだ。


※1:LUMIX G100D等でも同様の写真が利用されており、修正を行ったようだ。他製品は確認中との事。
※2:LUMIXのミラーレス一眼用で発売されたライカレンズがパナソニック製であったことに由来する。当初蔑称として用いられたが、後に蔑称から愛称に変わり、現在もパナソニック製ライカレンズの呼称として一部のカメラファンから親しみを込めて利用されている。

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七語零黎の「青・空・虹」
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