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ムーミンの本に関すること

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ムーミンの本について書いた記事
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#ムーミン谷の仲間たち

「ニョロニョロひみつ」のスウェーデン語原書「Hatifnattarnas hemlighet」を読み始める。

ムーミンパパとニョロニョロの旅はいつのこと?

ムーミンの物語の7作目の『ムーミン谷の仲間たち』の「ニョロニョロのひみつ」を読んでいて、ムーミンパパはいつニョロニョロと旅をしたのか、と疑問に思いました。ムーミンパパがニョロニョロについていくことについて、これより前の本に書いてあった記憶があったので探して考えてみました。 『小さなトロールと大きな洪水』および『ムーミンパパの思い出』に、以下のように言及されています。 「ニョロニョロのひみつ」には、パパが出て行ったことについて以下のように書いてあります。 「スナフキンのい

「トーベ・ヤンソンを知る」読書案内#6のこぼれ話:黄色い手袋と赤いバラ

God Jul !!(メリークリスマス) 「トーベ・ヤンソンを知る」読書案内に新しい記事を追加していただきました。ギリギリになりましたがクリスマスに関連のあるムーミン作品「もみの木」の紹介を書きました。もうご存知のお話かもしれませんがよろしければお読みください。漫画「ムーミン谷のクリスマス」のことにも触れています。 黄色い毛糸の手袋と赤いシルクのバラ原稿では物語の全体的な雰囲気やキャラクターについて書きました。書ききれなかったことですが、ひとつひとつのモチーフもとても好きで

映画『TOVE/トーベ』の感想:短編「世界でいちばんさいごの竜」のこと、マヤとトゥーリッキのこと

公開に先立って試写会で鑑賞させていただいた映画『TOVE/トーベ』ですが、公開から1ヶ月経ってようやく映画館に足を運ぶことができました。 試写会で鑑賞したあとに書いた感想&紹介はウェブ連載「トーベ・ヤンソンを知る」読書案内の第4回として以下で公開しています。 上の文章を書くにあたり、映画を観てたくさん感じたことや考えたことがあって、何をどう文章にするかかなり悩みました。悩みながらこれから鑑賞する方に向けた文章を書くうちに、文章から削ぎ落としたものが頭から遠のいていってしま

【原書講読感想】『ムーミン谷の仲間たち』「目に見えない子(Berättelsen om det osynliga barnet)」②:「いつも希望を胸に生きるって、いいことよね」(リトルミイ)

「目に見えない子」原書講読の感想2回目です。今回はミイの台詞について書きます。 ↓原書講読の感想1回目はこちら(足と鼻の表現について書いています) 書く予定を立ててはいなかったのですが、Instagramでムーミンカフェの投稿を見ていた時に、「目に見えない子」の中のミイの台詞を見つけて思い立ちました。「いつも希望を胸に生きるって、いいことよね」という台詞はすごく見いっぽい!と思います。 日本語訳の変化と英語訳のこと※ムーミンカフェの写真での記載は「~いいことよ」ですが、

ムーミンバレーパークの劇中歌「おっきいりんごの唄」と原作の話(ちょっとスウェーデン語のことも)

相変わらずムーミンバレーパークのショーの沼にどっぷりつかっています。これから書く内容は、ショーの沼からお届けします。好きが溢れてどうしょうがない気持ちが主成分なので、感情が前のめりでいつも以上につたない文章かもしれませんが、どうかご容赦ください。 頻繁にショーを観に行けるわけではないので、配信されている前回のショーの劇中歌を購入して毎日のように再生し、エネルギーを補充しながら最近は過ごしています。 曲は↓ここからダウンロードできます! 2020年3月から2021年3月に

【原書講読感想】『ムーミン谷の仲間たち』「目に見えない子(Berättelsen om det osynliga barnet)」①

半年くらい前の話になりますが、スウェーデン語のグループレッスンで私ともう一人の受講者の方がそれぞれ読みたいスウェーデン語の本を少しずつ講読することになりました。 一緒にレッスンを受けている方は、アストリッド・リンドグレーンの『やかまし村の春・夏・秋・冬(Mer Om Oss Barn I Bullerbyn)』から、「やかまし村のクリスマス(Hur Vi Firar Jul Bullerbyn)」を選びました。冬に読み始めたので、私もクリスマスの準備をしている気持ちになりま

ムーミン短編「もみの木」に救われたこと:"考えさえ正しけりゃ、それはあってもなくてもたいしてちがいはない"

新年あけましておめでとうございます。2021年1回目の投稿です。今年も週一の投稿を目標に、ムーミンに関することやムーミンに関連して考えたことなどを書く予定です。 私、冬の行事が苦手です私はクリスマスとお正月が苦手です。クリスマスの飾りをしたり、お節を準備したりすることがとても負担に感じてしまって、年々やらなくなってしまいました。今年は伊達巻を買ったくらいでしょうか。こういう性格なのだと自分を少し受け入れてもいますが、「他の人と同じようにできない自分」を情けなく思う気持ちも少

ムーミン本読み方のすすめ⑤『ムーミン谷の仲間たち』

読み方のすすめ、ようやく5回目です。今回は、7作目『ムーミン谷の仲間たち』をおすすめします。 1. ページ数(講談社文庫の新装版のページ)や章の数や構成の特徴270ページ(9つの作品からなる短編集で、1話につき30ページ弱) 9つの短編は、下記のとおりです。 春のしらべ ぞっとする話 この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ 世界でいちばんさいごの竜 しずかなのがすきなヘムレンさん 目に見えない子 ニョロニョロのひみつ スニフとセドリックのこと もみの木 各作品はそんな

ムーミンパパの台詞「I DON’T UNDERSTAND A THING.」はどこ?

ムーミンのこの台詞、どこだっけ?と思うことがしばしばあります。今回は、75周年グッズ(下記リンク参照)のムーミンパパの台詞を探したので記録を残します。 I DON’T UNDERSTAND A THING. ムーミンコミックス展に行ったときに、この75周年限定デザインの絵と小説の英訳が描かれたTシャツを買いました。私は迷うことなくミムラねえさんを選びますが、彼は絵と色の好みで青緑色のムーミンパパを選びました。そこで見つけたのが「I DON’T UNDERSTAND A TH