ムーミン短編「もみの木」に救われたこと:"考えさえ正しけりゃ、それはあってもなくてもたいしてちがいはない"
新年あけましておめでとうございます。2021年1回目の投稿です。今年も週一の投稿を目標に、ムーミンに関することやムーミンに関連して考えたことなどを書く予定です。
私、冬の行事が苦手です
私はクリスマスとお正月が苦手です。クリスマスの飾りをしたり、お節を準備したりすることがとても負担に感じてしまって、年々やらなくなってしまいました。今年は伊達巻を買ったくらいでしょうか。こういう性格なのだと自分を少し受け入れてもいますが、「他の人と同じようにできない自分」を情けなく思う気持ちも少しあります。←気楽に生きたらいいのに
ムーミンたちはクリスマスを知らない
さて、気持ちが落ちた私を救ってくれるのは、やっぱりムーミン!!以前も少し触れたのですが、『ムーミン谷の仲間たち』に収められている短編「もみの木」のことをまた書きます。
この前「もみの木」関連で書いた投稿↓
ムーミンたちは、クリスマス前に「ヘムルのひとり」に起こされて冬眠から目覚めます。彼らは、冬の生き物たちのせわしなさを見てクリスマスを何か怖いものと勘違いしたまま、ツリー、ご馳走、プレゼントを用意します。
このお話では、ムーミンたちはクリスマスが何なのか知らずに終わります。最後には、「もしクリスマスがおこったら、家へ入って戸をしめちまえばいい」と、用意したものをすべて小さな生き物である「はい虫」たちにあげて、冬眠に戻ります。
ムーミンたちが作ったのツリーのてっぺんには、「ムーミンパパがずっとむかしにママにおくりものにした、赤いきぬのばら」がつけられています。
ツリーを譲りうけたはい虫は、こんな会話をします。
「ただ、あのてっぺんに星があるといいんだがなあ」
と、はい虫のおじさんがいいました。
「そうでしょうか」
と、はい虫はこたえて、考えぶかそうにムーミンママの赤いきぬのばらをみつめていましたが、さいごにいいました。
「考えさえ正しけりゃ、それはあってもなくてもたいしてちがいはないんじゃないですか」
『ムーミン谷の仲間たち』(講談社文庫 ※新装版ではない)p. 228
「考えさえ正しけりゃ、それはあってもなくてもたいしてちがいはないんじゃないですか」
改めて「もみの木」を読んで、都合のいい解釈ではありますが、イベントの装飾ができないことやご馳走を作れないことなど形にとらわれずに、大切にしたい人を大切に思う気持ちをまず第一に考えたいと思えてきました。年末年始に限らず大事なことですね。きっとまた「できない自分」を情けなく思うこともあるのでしょうが、その時はまたこのお話を読みます。
ではでは、私に関わるすべての方々にとって健康で幸福な年になるよう祈念して、今日はおしまいにします。また来週。
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