おひねりは種籾 (前編)
足皮すすむ(2024年)
〜はじめに〜
この世界には、何かひとつの事柄に突出した才能を持った人間が一定数存在する。音楽や絵、スポーツや暗算など、その傾向は多岐に渡る。
そんなあらゆる才能の中でも"脱獄"ときいたら読者の皆さんは何を思うだろうか。
褒められたものではない、何の役にも立ちやしない、犯罪者を擁護し持ち上げる必要なんてない…。ええ、わかりますとも。私だってそう思います。
しかしながら今回この本を執筆する場合は別です。多くの場合本というのはエンタメの側面を持っています