見出し画像

ひとり親の貧困問題の原因は、ひとり親の支援制度である

ひとり親の半分は貧困世帯と言われる理由の一つに充分な収入がないことが挙げられます。

これは「児童扶養手当」というひとり親のためにある国の助成金制度があることが影響しているのではないだろうか。

ひとり親を支援する制度が逆効果に繋がっているとは考えづらいですが、統計を見て純粋に疑問を感じました。

児童扶養手当とは

「児童扶養手当」は、ひとり親が国から受けられる助成金で毎月もらえます。
もらえる金額は、所得や子供の数によって変わってきます。

画像2

子供が1人の場合は、最大で年間約50万円がもらえます。
さらに、このもらった助成金は非課税での収入です。

ひとり親の就業形態

画像1

貧困世帯と呼ばれるところに属している大半は、母子家庭の「パート・アルバイト」と「契約・派遣社員」、「無職」と推測出来ます。
約55%の世帯がここに該当するわけです。

逆に考えると、ここに属する人たちを解決すれば、貧困世帯は圧倒的に少なくなると言えるでしょう。

では、ここに属しているひとり親はどのような人でしょうか?
もちろん子育てもあるので、時間的に余裕がない人も多数いるでしょう。

しかし、「児童扶養手当」を受けようとするがために、所得が上がらないのではないか?という疑問も感じます。

児童扶養手当の所得制限

「児童扶養手当」の所得制限は以下の通りです。

画像3

【控除される金額】
・給与所得控除:控除相当額
・社会保険料(全員一律):80,000円
・特別障害:400,000円
・普通障害:270,000円
・勤労学生:270,000円
・配偶者特別控除:控除相当額
・雑損・医療費・小規模企業掛金:控除相当額
・特別寡婦(みなし特別寡婦※):350,000円
・寡夫(みなし寡婦・寡夫※):270,000円

シンプルに分かりやすい金額で答えを出すと、年収300万円以下は児童扶養手当が貰えます

受給分岐点を、子供が一人で扶養家族がいない場合で計算すると…

年収297万円ー給与所得控除97万2,400円ー8万円=191万7,600円
→一部支給10,120円✕12ヶ月=年間121,440円支給される

年収298万円ー給与所得控除97万4,000円ー8万円=192万6,000円
→支給なし

他の控除制度を利用しない場合のシミュレーションです。
せっかくだから手当を受け取りたいですよね。

年収約300万円というと、月25万円の給料です。
25万円を週5日勤務(月22日)✕8時間で計算すると、時給1,400円です。
パートやアルバイトで、時給1,400円は平均よりも高いので専門スキルなど必要になってくるはずなので、一部の人であると考えられます。

そう考えると、パートやアルバイトのひとり親はほぼ児童扶養手当を受給していると言えます。

ここに属しているひとり親が、日本の平均年収の中央値である年収370万円を貰えるようになれば、貧困世帯と呼ばれることもなくなるのではないでしょうか。



参考資料:独立行政法人 労働政策研究・研修機構
第5回「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査」
(略称:子育て世帯全国調査)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?