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VNOS/ブイノスを作った話(後編)

みなさん、こんばんは。
本記事はVNOS Advent Calendar 2019の15日目の記事で、1日目の前編、8日目の中編の続きのお話になります。

中編ではコミュニティを発足し、それを軌道に乗せるまでのことを書きました。この後編では法人を設立したあたりの話を中心に書きたいと思います。たぶんこれで完結します。させます。

法人付きコミュニティ

VNOSというコミュニティを作ろうとしたときに、法人をセットにして表裏一体の組織にしようという構想は最初からありました。
というか、それこそがVNOSという組織のキモになり、V界隈で一風変わった存在感を出す鍵になるのではないかと思っていました。

スキルを持ったV界隈周辺のエンジニア、クリエイター、また個人V自身が集まったコミュニティを作る。
ここまではわかるし、その有用性も想像できました。
さらにそこに法人がくっついたらどうなるのか?と唐突に思い付き、意外といい感じになるんじゃないかなと思ったのがVNOSの原点です。

そもそもなぜ法人が出てくるかというと、私が経営者だったからなんですね。2006年にIT会社を作って、2018年10月に代表を降りて平取になって色々引き継いで2019年3月に取締役も辞任し退職をしています。
まあこの辺のお話も語りだすとキリがないので、周囲には音楽性の違いと説明しています。
そんな訳で私自身の人生の再出発という要因があり、これを上手く材料として使うために法人という要素が出てきたのです。ぼろんと。

自由の空気は一度吸ったらやめられない

元の会社を出て、また新たな人生をやってゆくといったときに様々な選択肢がありました。
エンジニアとしても現役で働いていたのでたぶんどこかの社員として働くことも出来たし、経営者の友人からウチの役員にならないかなんていう素敵なお誘いもありました。
でも、またゼロから自分で会社を作ることを選んでしまいました。
これは合理的な判断でも何でもないのですが、一度吸った自由の空気の味が忘れられないんですね。

これはTCIC(東京コンテンツインキュベーションセンター)の入居審査に合格し、初めて鍵を貰った日に撮った写真です。
このなーんにもない場所が名前を得て会社となり、様々な人やお仕事がそこを通して繋がってゆく。
そして、それらのすべては全部自分で決められる
このサイコー感は、ホント一度味わったらやめられません。リーマンショックのときに死に掛けたり、色々と苦労したりヒドイ目には合っているのですが、それでもまた同じ道を選んでしまうのはやはりそこに他では味わえない魂が震えるような喜びがあるからなんですね。

たぶん、分かる人には分かって貰えるし、そうでない人にはどれだけ言葉を尽くしても伝わらないことだとも思っています。まあ、病気や中毒みたいなものだと思っていただければそう遠くはないかと思います。
脳が一回焼かれちゃってるんですね。

株式会社ブイノス設立

そんな訳でVNOSは私自身の個人的事情と趣味と妄想から、法人と不可分であることが宿命付けられてしまっていました。
そのことに対して最初は内部でも懸念の声はありました。まず、自由さが阻害されるかもしれないということ、あと意味が分からないという声がやはり一番大きかったように思います。
実は私自身も意味がよく分かっていなかったので当然と言えば当然なのですが、とりあえず予感のようなものはあったし、多くの議論を重ね法人があると何かと便利かもしれないという共通認識を形成することはできました。

そうしているうちにようやく法人登記が完了します。
前の会社も設立は自分でやってたので、この辺りは割とお手のものです。しかも今はfreee会社設立さんのように便利なサービスもあるので設立自体はすごく簡単でした。

ちなみにこの法人登記もそうですが、登記先であり事務所を構えることとなるTCICへの申請するのを決めたこと、入居審査でどんなことを聞かれてどんなプレゼンをしたか。そのあたりのことは基本的にオープンにしてやってゆきました。
VNOSのメンバーに信頼されることが、この法人とコミュニティのハイブリッド組織が上手くゆくための必須条件だというのは最初から確信していました。
そして信頼を得るためにはそうしたプロセスを公開してゆくのが一番いいと思っていました。物語性もありますからね。

運営も支配も搾取も、何もしない企業

VNOSとブイノスの関係について、私のイメージとしては寄り添っているという感じなのですよね。
ブイノスはVNOSの運営でないからその方針を決めることはできません。あくまでVNOSの方針はVNOSが決めます。その一方でVNOSはブイノスを利用することが出来ます。
コミュニティの発起人である私a2seeが、ブイノスの代表取締役でもあるのでVNOSの方針やすべきことがブイノスとしてやる価値があると判断したら、それは直ちに会社の意思決定となりに実際に行われます
逆にブイノスからのお願い、例えばこんな案件があるんだけど誰か出来る人いないかなといった話がVNOSの方にゆくこともあります。

別に明確に上下関係を作らなくても隣にそっと寄り添っていて、互いに何か困ったことがあったら言ってみて、やれることがあったらやってみようじゃないか。ホントにそれだけのことなのです。
仲の良い隣人みたいな感じ。
馬鹿げている、上手くゆく訳がない、長く続くはずがない、そういう感想もあるかもしれません。でも、零細企業とエッジの効いた一芸集団、逆にそれくらいやらなきゃ上手くゆく訳がないとも密かに思っていました。
それに、もし上手くいったらメチャクチャ楽しいんじゃないかなとも。

これからのこと

法人ブイノスが企業と契約し、VNOSの窓口となり企業案件をこなすというのが当面の鉄板パターンかと思っています。その辺はこのあたりの記事で既に書きましたので今回は詳細は割愛します。
また、いま絶賛クラファン中2DRの共同開発という実績もブイノス&VNOSのタッグで実現することができました。

大成功!というにはまだ程遠いかもしれませんが、これ意外とできるなという感触は得たところです。
なので、引き続きこうした実績をどんどん積んでいって、Vのままのお仕事の実例を作って周知展開してゆければと思っています。

あと、ブイノスのお仕事が少し安定してきたので、VNOSへの内注案件というのもこれからやってゆくことに決めました。
(あ、本記事ではすっかり書き忘れていましたが、ブイノスの本業はIT屋さんです。なので、VNOSから一切収益を上げる必要もないし、V界隈の浮沈というものにも基本的に影響されません。これが寄り添うというスタイルを選択できる理由でもあります)
いきなり外部の企業案件をやるのはリスクが高いので、まずは内注案件でVNOSとしてどれくらいのことがやれるのか、リモートでVの者たちがお仕事をするというのはどんなメリットがあってどんなリスクがあるのか、そのあたりを実際に契約と報酬を使って試してみようと思っています。

予算は当然そんなに大きくは取れないのですが、メンバーとしては自分の得意分野を活かしてちょっとした収入が得られるし、また企業案件という魅惑の響きの実績解除ができます。さらに、マネジメントや契約面含めた実践的な試行錯誤もできるし、ブイノス側からしたらとてもプロモーション効果の高い投資的案件となります。
三方よしとはまさにこのこと!とこの内注システムを思い付いたときには、久々に興奮してしまいました。

もちろん今のところは絵に描いた餅です。上手くゆくかどうかはやってみなければわかりません。
ですが技術の進歩と発展により、絵に描かれたモノを現世に持ってくるハードルは昔よりぐっと下がったのではないかと思っております。
今までなんとかやってこれたので、これからもたぶんきっと上手くゆく。もし上手くゆかなかったとしても、楽しんでやれてれば元は取れる。
そんな楽天的な思いでVNOSとブイノスは作られております。
一度しかない人生、楽しんでゆきましょー。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
また何か新しい報告ができる日を楽しみにしています。

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