東海道五十三次3(三島宿~鞠子宿)
前回の歌川広重の浮世絵に関する東海道五十三次に於いて、10番目の宿場町・箱根宿まで記載させて頂きました。今回はその続きを記載させて頂きます。
三島宿(伊豆国・君沢郡)
『日本橋より11番目の宿場』
現在地:静岡県三島市
前宿より3里28丁(14.84km)
累積:日本橋より約104.1km
奥に見える鳥居は三島神社(後の三嶋大社)です。この絵では早朝に出発する旅人の様子が描かれています。
この写真は現在の三嶋大社の鳥居です。新年の初詣での人出は約46万人もの人々が参拝され静岡県で一番といわれています。
沼津宿(駿河国・駿東郡)
沼津宿(駿河国・駿東郡)
現在地:静岡県沼津市大手町
前宿より1里半(5.9km)
累積:日本橋より約110km
東海道五十三次の中では月が描かれている唯一の作品です。夕方の様子で満月が描かれています。
夕方の写真ではありませんが、現在の街道(国道1号線)沿い、『沼川沿いの白隠桜』です。5kmに渡り、600本の桜が咲き誇ります。
原宿(駿河国・駿東郡)
『日本橋より13番目の宿場』
現在地:静岡県沼津市
前宿より1里半(5.9km)
累積:日本橋より約116.9km
朝日の赤色で染まった雪の富士です。富士山の美しさが強調される一枚です。
赤富士ではありませんが、浮島ヶ原自然公園から見た富士山の絶景です。実際の下記の写真を広重の浮世絵と比べると山の傾斜が極端なのがわかります。外国の方が広重の浮世絵をみて、実際の富士山をみに日本へ訪れた際、富士山の傾斜が緩やかなので驚く方もいるようです。
吉原宿(駿河国・富士郡)
『日本橋より14番目の宿場』
現在地:静岡県富士市
前宿より3里6丁(12.45km)
累積:日本橋より約128.35lm
この浮世絵のタイトルが「左富士」となっていますが、ここまで右に見えていた富士山が、ここでは道が曲がりくねって左側に見みえます。
手前の松は現在も街道沿いに残る松ですが、建物が建ち、富士山は山頂のみ左側にみえています。
蒲原宿(駿河国・庵原郡)
『日本橋より15番目の宿場』
現在地:静岡県静岡市清水区
前宿より2里30丁(11.13km)
累積:日本橋より約139.48km
蒲原宿の雪景色です。しんと静まり返った夜の様子が描かれています。
雪は降っていませんが、今の蒲原宿の面影です。現在でもレトロな街並みを残し、静岡県内で唯一、歴史街道として認定されています。
由比宿(駿河国・庵原郡)
『日本橋より16番目の宿場』
現在地:静岡県静岡市清水区
前宿より1里(3.93km)
累積:日本橋より約143.41km
こちらも東海道の難所のひとつで海と山が迫ってきます。難所ではありますが、富士山の見える美しい風景として有名な宿場です。
この場所は由比宿と興津宿の間を通る薩埵峠(さったとうげ)です。富士山と駿河湾が一望できます。現在この道はハイキングコースにもなっています。
興津宿(駿河国・庵原郡)
『日本橋より17番目の宿場』
現在地:静岡県静岡市清水区)
前宿より2里12丁(9.16km)
累積:日本橋より約152.87km
由比宿とはうって変わって平坦な道が続きます。川を渡る力士の旅の一行が描かれています。力士の身体が馬や籠からはみ出していたりと、愉快な一枚です。
興津川は静岡県静岡市にあります。2級河川ですが、清流として釣り人に人気があります。特に鮎釣りが人気です。
江尻宿(駿河国・庵原郡)
『日本橋より18番目の宿場』
現在地:静岡県静岡市清水区
前宿より1里3丁(4.25km)
累積:日本橋より約156.82km
江尻の港の様子になります。絵のほとんどは海が描かれ、旅人の姿は見えません。画面中央には三保の松原が描かれています。
現在ある風景の清水港をメインの写真にすると三保の松原が入いりませんでした。広重の浮世絵は様々なイメージを盛り込んでいるようです。
府中宿(駿河国・有度郡)
『日本橋より19番目の宿場』
現在地:静岡県静岡市葵区
前宿より2里29丁(11.02km)
累積:日本橋より約167.84km
府中宿は徳川家康が晩年を過ごした駿府城があり、城下町として繁栄していました。広重の浮世絵は安倍川の渡しです。当時の川渡しの様子が描かれています。
安部川は静岡県静岡市葵区および駿河区を流れる1級河川です。本流にも支流にもダムが無い、日本では珍しい河川です。昔、安部川のたもとの茶屋で売られていた餅(安倍川餅)が今でも名物です。
鞠子(丸子)宿(駿河国・有度郡)
『日本橋より20番目の宿場』
現在地:静岡県駿河区
前宿より1里半(5.9km)
累積:日本橋より約173.74km
東海道で最も小さい宿場です。ここに描かれている「丁子屋」は現在も街道沿いに残っています。またこの鞠子宿の絵は、モネの「積みわら」の絵に影響を与えたと言われています。
現在も街道沿いに残る「丁子屋(ちょうじや)」さんです。慶長元年創業、400年の歴史に名を残します。名物はとろろ汁です。
今回は11番の宿場宿・三島宿から20番目の宿場町・鞠子宿まで書かせて頂きました。次回は21番の宿場町・岡部宿から30番目の宿場町・舞坂宿まで記載させて頂きます。今後とも宜しくお願いいたします。
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