東海道五十三次2(品川~箱根)
前回の歌川広重の浮世絵に関する東海道五十三次に於いて、日本橋の続きを投稿させて頂きます。
まずは、東海道五十三次の宿場町とおおよその累積距離を調べました。
<基準>
1里=36丁=2160間
1里=3627.27m
そして、歌川広重の浮世絵(保永堂版)は抽象的に掛かれてる絵が多いといわれますが、極力近い写真等を掲載してみました。たまに浮世絵と写真が全く違う場合がありますが、ご容赦下さい。
品川宿(武蔵国・荏原郡)
『日本橋より1番目の宿場』
現在:東京都品川区
日本橋より2里(7.85km)
累積:日本橋より約7.85km
広重の「品川宿」の絵には、宿場町の賑わいや交通の要所としての機能が描かれています。宿場町の街並みや宿場の建物、旅人や商人たちの姿が描かれ、当時の品川宿の活気と賑わいを伝えています。
旧東海道の品川宿あたりの風景です。以前は東海道のそばには海が広がっていましたが、現在は埋め立てられ、街並みが広がっています。
川崎宿(武蔵国・橘樹郡)
『日本橋より2番目の宿場』
現在地:神奈川県川崎市川崎区
前宿より2里半(9.83km)
累積:日本橋より約17.68km
川崎宿は当初宿場では有りませんでしたが、品川宿から神奈川宿の区間が長距離だった為、後から配置されました。広重の描く「川崎宿」では、川の渡し(多摩川)が描かれています。
川崎市側から見た多摩川と六郷川橋梁です。昔は橋がなかったので、渡し船で川を超えるのが主流でした。多摩にはいくつもの渡し舟が存在し、旧街道付近では、「友田の渡し」と「小作の渡し」があったと云われています。
神奈川宿(武蔵国・橘樹郡)
『日本橋より3番目の宿場』
現在地:神奈川県横浜市神奈川区
前宿より2里半(9.83km)
累積:日本橋より約27.51km
品川宿に構図がにていますが江戸から離れ、のどかな雰囲気で茶屋の街並みが描かれています。
現在の国道1号線で、神奈川宿付近の風景です。こちらも海の埋め立てが進み、付近はビル等で埋め尽くされています。
保土ヶ谷宿(武蔵国・橘樹郡)
『日本橋より4番目の宿場』
現在地:神奈川横浜市保土ヶ谷区
前宿より1里9丁(4.91km)
累積:日本橋より約32.42km
武蔵国最西端の宿場です。帷子川(かたびらがわ)に掛かる新橋を主体に自然豊かな街並みが描かれています。
保土ヶ谷区を流れる帷子川です。広重の浮世絵にもある新橋(改修)から観た街並みです。保土ヶ谷橋付近には本陣跡も現存します。
毎年正月に行われる箱根駅伝では第2区として区間最長距離の上、保土ヶ谷橋を過ぎると権太坂の長い上り坂がランナーを苦しめます。
戸塚宿(相模国・鎌倉郡)
『日本橋より5番目の宿場』
現在地:神奈川横浜市戸塚区
前宿より2里9丁(8.84km)
累積:日本橋より約41.26km
相模国の入口。小田原宿に次ぐ規模の宿場町。日本橋より1泊目にあたり、宿に向かう旅人が描かれています。
旧東海道の風景の道のりです。保土ヶ谷宿から権太坂を登り、戸塚方面へ向かう道です。
藤沢宿(相模国・高座郡)
『日本橋より6番目の宿場』
現在地:神奈川県藤沢市
前宿より1里30丁(7.2km)
累積:日本橋より約48.46km
この浮世絵に大きく描かれているのは江島神社の一の鳥居です。この頃、江の島詣はお伊勢参りに匹敵する参詣地として庶民に人気の旅先でした。
江ノ島入口にある青銅の鳥居です。昔も今も人気の「江の島詣」昔は伊勢参りに匹敵する人気だったようですが、その人気は今でも変わりなく続いています。
平塚宿(相模国・大住郡)
『日本橋より7番目の宿場』
現在地:神奈川県平塚市
前宿より3里半(5.25km)
累積:日本橋より約53.71km
このあたりは相模平野として平坦な道が続いています。手前に大きな山を描き、遠くに富士山が見え隠れする遠近をうまく利用しています。
旧東海道沿いの平塚宿へ向かい街道にある。広重の浮世絵にも描かれて松です。
大磯宿(相模国・綾郡)
『日本橋より8番目の宿場』
現在:神奈川県中郡大磯町
前宿より27丁(2.94km)
累積:日本橋より約56.65km
大磯宿は大雨の様子が描かれています。雨に濡れる東海道の様子が描かれています。
国道1号線沿いの松並木です。広重の浮世絵にも描かれています。
小田原宿(相模国・足下郡)
『日本橋より9番目の宿場』
現在地:神奈川県小田原市
前宿より4里(15.72km)
累積:日本橋より約72.37km
小田原には小田原城が有り、江戸を出発してから最初の城下町になります。この川(酒匂川)には橋が無く難所のひとつといわれています。
酒匂川(さかわがわ)は静岡県御殿場市の富士山東麓の源流から神奈川県に流れる二級河川です。神奈川県では相模川に続く重要な河川で、水田などの農業用水などに利用されています。
箱根宿(相模国・足柄下郡)
『日本橋より10番目の宿場』
現在地:神奈川県足柄下郡箱根町
前宿より4里8丁(16.89km)
累積:日本橋より約89.26km
東海道五十三次の中では最も標高が高い宿場です。険しい山々は東海道中でトップを争う難所として有名です。
箱根の宿場町は箱根峠越えをして、標高725mの場所(神奈川県足柄下郡箱根町)にあり、東海道五十三次のなかでは一番高い場所にありました。杉並木を通り、険しい山道を歩き進みます。ここには関所も待ち構えています。
今回は2番目の宿場町・品川宿~10番目の宿場町・箱根宿まで書かせて頂きました。次回は、11番目の宿場町・三島宿~20番目の宿場町・鞠子宿まで記載させて頂きます。今後とも宜しくお願い致します。
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