#5 面倒な置き物


 人と話をするのが苦手だな、と最近改めて思う。突然のカミングアウトのように見えるが、ある程度自分と関わりのある人たちにとっては周知の事実だろう。「え、全然そんなことないよ!」と言ってくれる心優しい人もたくさんいる。気を遣ってくれてとても嬉しいのだが、僕のコミュニケーションのレベルが世間的な標準だとするなら世界中365日がお通夜である。

 はじめに弁明するが僕は人との会話を避けたい訳ではないし、寧ろ人の話を聞くのは好きだ。自分一人の世界はどうしても狭い。色んな人の話を聞いて、そういう考え方もあるのかと新たな発見をするのは楽しい。本当は自分も色々なことを人に話してもっと人の話を聞いたりしたいのだが、それが下手くそなんだと思う。

(以下自己分析。知人からの評価含む)

 まず、まあ喋らない。置き物かってくらい喋らない。「人形みたいに静かだね」と言われたことがあるが、ヒモを引っ張れば喋る人形もいるので厳密には人形以下である。

 基本的に「ムダ話を殆どしない」ので、必然的に僕が喋るのは業務連絡か、人から何か聞かれた時か、人の話に突っ込む時だけになる。ムダ話が無駄だとは思っていない。思っていないのだが、取り止めのない話が頭に浮かんでも「話しても無駄だな」とそのまま奥の方にしまってしまう。かといって普段の会話の中に重要な議題などそうそうあるものではないので、結果「話すことが何もない」という状態になり、喋らなくなる。

 あとリアクションが薄い。置き物かってくr(ry。ちゃんと聞いていても、「聞いてる?」と言われる時が結構ある。「怒ってるの?」とすら言われたことがあるが、断じてそんなことはない。そもそも、僕は殆ど怒らない。これにはちゃんと理由があるので、またいつか書くことにする。まあとにかく、でもこれはしょうがないと個人的には思っている。多分リアクションの大小も人の個性だ。ちなみに「もっと意識して大げさにリアクションとってみたら?」とアドバイスを受けた時は、「今のタイミングはどういう反応をすれば良いんだろう?」という思考が入り、結局どう反応すればいいか分からないまま話題が次に移ってしまった。

 もう一つ、これは結構コミュニケーションの上で致命的だと思うのだが、人の目を見るのがすごく苦手だ。女性は勿論のこと(女性が苦手というのもあるけど…)、同性の友人でもダメ。最近気づいたのだが、多分両親の目もあまり長く見れない。あ、妹の目は見れる。シスコンだから。

 人の目を見るとなんか耳の奥の方が変な感覚になる。就活の時は結構大変だった。頑張ってずっと面接官の方の目を見ていたから、途中で視界の遠近感がおかしくなったことが何回かあった。

(以上自己分析。知人からの評価含む)


…読めばわかるが結構アレである。アレが何かは言わないけど。

 ちなみに昔からずっとこうだったかというと、そんなことはない。小学生の頃は特に、寧ろ真逆の結構「陽」属性の人間だったとすらいえる。なんで今こうなったのか、一応思い当たる節はいくつかあるのだがそれについては伏せておこう。ムダ話だから。


 そろそろ自己嫌悪に陥りそうなので最後にするが、ひとつ伝えたいのはちゃんと聞いてるし楽しんでるよということ。できる努力はしているつもりなので、今付き合ってくれている人たちにはこれからも「こいつめんどくさいやつだな」と、置き物をあしらうかの如く適当に構ってくれたら幸いです。


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