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短編小説。AIに聞いてみた「眉間の傷はどうですか」 ファミレス編

前回の話

の、つづき
なのですが、その前に、

AIチャットくんはこちらの望むような回答するようで、詳しく聞こうと思えば、もっと条件を詳しく設定し聞かねばならないようです。そうなると個人情報をAIに提供していかねばならないわけなんですね。
なるほど。たしかに流出。

ある日、一通り短編書いて貼り付けて、「この短編の感想を教えてください。」
と聞くと、もう、さっぱりわけわからん感想が寄せられました。当たり前かもしれない。

で、
つづきのはじまり


「ファミレス」


 意外とすんなり採用してもらった。下駄を脱ぎ、髪を切れば、意外とこざっぱりしているのだ。

 このバイトは学生にとって都合よく、店にとっても都合がよかったようで、授業やクラブの合間に昼でも入れるし、店が忙しい時や急な欠員の時、講義がなければ行ける。お互いに好都合だったのである。 

 ただ、キッチンで採用だった。えっ。
 今まで自分で料理を作るなど皆無に近い奴がコックコートを着る。おい大丈夫か?と更衣室で着替え鏡を見ると…、おっ、コックさんだ。いいじゃないか。鏡の中にコックさんが現れたのである。だが、なんか、子供のお手伝いでもあった…。

 恥ずかしながら更衣室のドアを開けると、いきなり、
「エプロンは腰でつける!」と指摘された。あっ、やはり。締め方を習い、ビシッと腰で着けると、すぐ、、、、
シェフになった。

 見た目だけのシェフ…、もたず。

まさかピザ生地から作るとは…、
「2kg?……練るんですか?」
調理器具も…、
えっ?レードル?、、トング??
オーダー読まれたら覚える…、
「ハンバーグ、ライスオール2.カニコロ、レンソウ、○*☆%#、、」
「え?レンソウ?、、なに?」
「覚える!!」
「はい。」
覚えられない…。

 「きみ、ちょっとそこで見とき」と言われ、古くからいそうな高校生女子など見てると、目に止まらぬ速さ?!!、なんで?プロか?なんでそんなことまで出来る?君はこれで飯を食っていけるだろうと、びっくり。
口開けて、突っ立って見てたのである。
こいつ大丈夫か。

 スパゲティといえばナポリタンだけではなかったことを知り、グラタンとドリアの違いが分からず、田舎もんにはまだピザも珍しかった時代。知らんことだらけだったのだ。大げさか?
 
 1ヶ月後のある日。朝帰り!
少し慣れてきたもんで、ラスト勤務(閉店締め)までも始めるようになっている。
 そうなると、もう生活も乱れまくるのだ。 早い。店を閉めればみんなとビリヤード行ったり、上手いラーメン屋行ったり、喫茶店でしゃべったり、そんなことをするほうが楽しくなった。毎日じゃないにしてもよく遊べたもんだ。

 その頃のファミレスといえば…、意外に手作りも多い。一日の客数は何百人、1000人超えた日もあったろう。そのスタンバイを毎朝、毎朝、行っていたのがランチのおばちゃん達である。テキパキと。

 そこで、朝のうちに1日分の玉ねぎを大量にスライスする作業があるのだが、これをやらせてもらった。スライサーではなく包丁だ。包丁上手になりたかったのだ。そのため、長い夏休み2週間ほど続けた。 すると、どうだ、最後の頃には「きみ、上手くなったねぇ」、えらく褒められた。透き通るタマネギだったのだ。 

 だがその後、玉ねぎはスライサーでスライスするようになる。ま、しゃーない、包丁の使い方は覚えたからよかろう。
 こんなことしながら、こんなんでもなんやかんや続けられたのは、やはり楽しかったのである。

 そして学生達を仕切るのは、結局2年も一緒に働くことになった若い店長だ。仕事を一から教えてもらい、下手なピザ練りも褒められるほど上達させてくれた。たしか歳は5つくらい離れている。

 この人が、忘れようにも忘れられない店長で、長い人生、いろんな人と出会ったのだが、そうそうめぐり逢わないような人だった。

 その店長、「ゴルゴ」と呼ばれていたのだ!

。。。。。。。。。


「ゴルゴ店長」


 若い人はもう知らないだろうか、漫画のゴルゴ13(サーティーン)。その「ゴルゴ」と呼ばれていたのだ。雰囲気だけはそうだったかもしれない。無口で暗い。他の店からの電話でも
「もしもし、ゴルゴおる?」 
「いえ、今いません。あっ、居ました」
 
 そのゴルゴ、いつも冷静で仕事には厳しい人だったが、年齢的に近いこともあり、出来の悪い私を弟のように思ったのかもしれない。 
 キッチンではトレーニングや発注を任されたり、いろんな掃除の仕方を教わって、フードを清掃することなど当たり前だった。 ん?いいように使われてた…。 
 店でリーダー役をやったことは、クラブで大いに役立ち、演奏会に向けてみんなをうまくまとめあげて行くのに発揮した。ときに手綱をゆるめ、楽しむことが大切だ。

 店長はどこか魅力的で不思議な存在だった。暗い雰囲気を持ちながらも、明るく楽しいときもあって、店の雰囲気はいい。一緒に働いてるおばちゃん達も高校生女子たちもみんな尊敬し、少しの憧れを抱いていた。

 ある夜、店が閉まり、掃除をしていると、静かに話しかけてきた。
「きみ、将来どうするつもりなの?」と。
 驚いたが、心にひっかかる何かを決断するために、聞いてみた。
「先に進むためには、自分が本当にやりたいことを見つけなきゃダメ。それがわからなかったら、漂ってしまうだけ」と言った。

 一晩考えた。本当にやりたいこと。
 私のやりたいこと、ギターだ。
すなわちギターを追求することを決め、在学中に音楽学校に進むことにした。ゴルゴに出会ったことで、ひとつ私の人生に大きな影響を与えた。

 ところが、そんな時なのに私は大学で倒れてしまう。バイトもクラブもしばらく休養することになったのだ。音楽学校もあきらめざるをえない。落ち込む私に、ゴルゴと店のみんなはわざわざ色紙を用意し、励ましの言葉をくれた。色紙なんてと思ったが、手書きの一つひとつ読んでいくと、感謝の気持ちがわいてくる。いい仲間をもったもんだ。この色紙は今でも大切に保管している。
 すぐに切り替えはできなかったが、やりたいことを見つける方法は掴んだ気がする。

 そして、桜も過ぎた春。
 入れ替わりの季節となりゴルゴも異動、仲間も卒業、私も3年生。
引っ越しだ。

「最後のバイト、族と警察」に
つづく

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