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この療養中のわたし…冷やし続けられた 暑すぎた夏


動物の精子は、股間にぶら下がっている。そして、人間を含めた哺乳類の精巣は、固い被膜で包まれた丸い形をしていることから、睾丸(こうがん)と呼ばれている。


わたしは、種を繁栄させる精子のほかにも、男性ホルモンをつくり出すことから、男性が男性であるために必要不可欠な部分といえるが、なぜか無防備に外に飛び出している。


脳や心臓などの臓器と同じく、体内におさめて保護したほうがよいと思えるが、あえて体の外にぶら下がっているのは、精子は熱に弱いのである。


精巣でつくられるためには、体温よりも低い34~35℃という温度環境が必要で、温度が高くなるほど精子が形成されにくくなる。つまり、体内におさめてしまうと、温度が高くなりすぎてしまうのだ。


わたしがシワシワになっているのも、同様の理由からである。暑いときには伸びて熱を逃し、寒いときには縮むことで放熱を防ぐという、温度調節の役割を果たしている。


また、わたしの中にある二つの睾丸の高さや大きさは、それぞれ異なっている。その理由は、運動時に左右がぶつからないようにするため。あるいは、衝撃を受けた際に力を分散できるよう、位置に差がつけられている。


別に変なことを書きたいわけでなく、この療養中わたしは…「そこまでぐったりするか…?」と言われ続け、溶けたアイスクリームのようなわたしをアイスノンで冷やし続けられたのである…。

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