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退院10句 妻とおかづの喫茶オウチへ  2202/22


退院

春浅し箍を締めつつ退院す

頬あたる春北風に怯え立つ


寒い…

一命をとりとめゆく道春浅し

そこかしこ命漂う浅き春


手は細る…

しわ増えし手の隙抜ける春の雨

春の雪冷えし手の甲赤きしわ

春の雪より細し手の隙を舞う

外は冷える…

退院日春まだ寒しアスファルト

病院の階段足踏み春寒し

笑う山匂ひて病の時を知る

幾重の箍(たが)もわずかに春北風(はるならい)

わが家…

春寒にほっと肘つきゃ茶湯気揺れ

一息…

四十日ぶり大寒の湯気嬉し

ほんま…



おかづ…


去年の退院時は顔を見せると…
逃げて…固まったが…

今度はどうか…?
ドアを開けると…

遠慮がちに…
尻尾ふりふり…

お~っ!
お出迎えできる成長した…
おかづだった…♪(´ε` )


まったく…
まったく…

まったく…

待ち…
くたびれた~


らしい…。


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