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A CITYSCAPE vol.3-築港・海岸通


距離は大して離れていないのに、なぜか心理的に遠い場所。この場所は私にとってそれが当てはまりました。
生まれてこの方大阪に住んでいますが、写真を始めるまではあまり行くことがありませんでした。特段行く用事が無かったと言ってしまえばそれまでですが、それにしても全くと言ってよいほど行かなかったなと、今振り返るとそう思います。

「海」と聞くと思い浮かぶのはどんな海でしょうか。これは人それぞれでしょうが、恐らく海といえば南港のようなところだという人はあまり多くはないでしょう。築港近辺は内側に位置しているため、外海の方を眺めてもガントリークレーンが立ち並ぶ人工島が見えます。そのため広い海など広がっておらず、どちらかと言えば運河です。訪れるたびに狭い海だなと思いますが、そんなところを大きなコンテナ船が行き来しているのはなかなかの迫力です。

そんな事情から橋の高さは海面からかなり高く、ピークの部分に立てば周りの景色を一望できる展望スポットであったりします。六甲山地から生駒山地、あべのハルカスなど全周を見渡すことができます。満載のコンテナ船が無骨な橋をゆっくりとくぐる姿も見え、なかなか満足のいく眺望です。しかし高いところが少し苦手な私は長居できません。軽く下を覗いてみた日には、足がすくみます。

築港といえば海遊館ですが、ここも外国人観光客が増えたなという印象です。正直、わざわざ海外に来て行くところが水族館なのかと思ってしまいました。しかしよくよく考えてみればイギリスに行けば大英博物館に行ったり、フランスに行けばルーブル美術館に行ったりする感覚とあまり変わらないと気付きました。海外で海遊館はどれぐらい認知されているのでしょうか。

海遊館の東側に行けば天保山がありますが、ここもなかなか良い風景スポットです。奥の方に行けば対岸の桜島へ行く渡船の乗り場があるのですが、そこから大阪の摩天楼が見えます。遠くにありながらも確かな存在感です。

西側は中央突堤や色々な船の乗り場があります。この辺りではあまりない岸壁から海を望める場所なので人がいそうですが、あまりいません。皆ATCに行くのでしょうか。
中央突堤といえば、夕日が綺麗な場所です。大阪の中心近辺で夕日を見るなら天満橋から見る夕日もいいですが、ここも外せません。いい場所で気に入っているのですが、私が行くときはあまり人がいません。綺麗なのですが。やはりATCにいくのでしょうか。

海遊館と天保山大観覧車がある観光スポットですが、倉庫があり、荷物が扱われ、トレーラーがひっきりなしに往来する場所でもあります。観光という非日常を楽しむ人々と、日常を支えてくれる人々が、狭い島の中で入り混じります。楽しい雰囲気と忙しい雰囲気の両方が存在します。表裏一体の日常と非日常です。

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