2020年を”なまらシンプル”に振り返る

2020年、世界が新型コロナウイルスの災禍に見舞われました。

薬局薬剤師である私の1年も、コロナ禍に大きな影響を受け、大いに変化していきました。

これまでの唯一の趣味であった一人ハシゴ飲みは自粛、昨年沖縄出張の際にプレーするために始めたゴルフだけがオープンエアー下、道具はそれぞれ、感染リスクの少ない状態で楽しめる趣味となりました。

世界のすべてが変化を迫られる、新型感染症禍であった2020年。

みなさんはどう過ごされましたか?

○薬剤師会役員

一期2年、2018年に就任した旭川薬剤師会理事職は、2020年、役員改選の年。6月、改選のための通常総会は、開催しなければならない会長候補者選挙からそもそもの開催方法まで、すべていちから考えなければなりません。

私は広報担当理事として、「薬剤師職能を示し、地域住民の健康の底上げを行う4つのイベント事業や、その他旭川市民・会員向けの広報活動について、このコロナ禍、担っていくことが出来るのか。」を真剣に考え、旭川のために継続してその責を受けました。

二期目の私のテーマは「コロナ禍に負けない強い広報」。薬剤師業界の広報の多くは、素人レベルと罵られ、何かの顔色を窺い、そもそも発言・発信しないことを叱責されてきています。自らの職能で行った様々な活動を表現するのが下手な薬剤師だからこそ、このコロナ禍では「表現すること自体」が重要です。

この状況が続くことを想定して、委員長職には新しく病院薬剤師出身の方をお迎えし、部内の感染対策マニュアルを整備し、イベント事業の開催の可否判断や委員会活動の方向性決定にはこのマニュアルに従って判断をすることとしました。イベント事業を開催する場合には新しいアイディアを生むため、若手の薬剤師を多く起用し、新時代の薬剤師職能の広報に備えました。

市民に向けた薬剤師の職能提示には、多くの人が集まり密を避けられないイベント事業が使えなくなってしまったため、広報を続けるには創意工夫が強いられます。これまで後回しにされていたSNSを活用した情報発信や、薬剤師の職能PRを落ち着いて大いに進めることが出来ました。この方法の効果を最も大きくための知識は私には足らず、さらに広報について勉強をしなければなりません。現代のSNSの利用率や年代、投稿の方法について試行錯誤、勉強の日々が始まります。

5月13日、ゴールデンウィークが明け、緊急事態宣言が特定警戒都道府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の13都道府県)に延長が決定された5月4日から1週間後に発出した旭川薬剤師会からの市民向けメッセージ(第1版)は薬剤師会ホームページ上のみで公開され、ご覧になった方は少ないのではないでしょうか。一方11月16日に発出した同メッセージ(第2版)は、鬼滅の刃ブームにあやかり、全集中、柱などのワードを取り入れたこともあってか、SNS上で瞬時に拡散され、多くの地域住民の目に留まりました。

市民向けメッセージ(第2版):http://www.ahmic21.ne.jp/~yaku/apa/image/top_coronataiou.pdf

12月8日には、市民向けメッセージを要約した「なまらシンプル」ポスターをSNS上でリリースし、旭川市民および全国の薬剤師業界に向けて大きく広がり、新聞社や業界紙でも広く取り上げられました。

「コロナ禍、薬剤師って何をしているの?」

薬剤師法第1条には、薬剤師の任務はこんな風に定められています。

[ 薬剤師の任務 ]
第1条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。

何をしているの?という素朴な疑問に対して、治療に関する医薬品の供給はもちろん、感染症を予防できる環境衛生・公衆衛生を守る薬剤師の役割を示す「新しく強い広報」になったのではないかと考えています。スピード感をもって、適切なタイミングで、発信をしていきます。

○中央薬局とプライベート

正直、2月くらいまで、そんなに新コロ、気にしていませんでした。社長の堀籠が医療崩壊について強い危機感を示しても、「そんなにかなあ…」と思っていました。すみません。とりあえず趣味であるひとり飲みは自粛していましたが、正直仕事中もノーマスクで過ごしていました。2月末、北海道における独自の緊急事態宣言が発出されるあたりになってやっと状況を認識し、「自分の職能を誰かに伝えよう」をテーマに取り組みを始めました。

担当する新卒薬剤師のリクルートはインターンシップ、見学などこれまで当たり前にやってきたことが出来ず、中央薬局の真骨頂である宴会での学生とのコミュニケーションも封印され、万事休す…と思いましたが、これまで自分の在り方を伝えてきた1名と、伝えた学生さんからのつながりで、感染対策を行った上で実施したインターンシップを経験した1名、計2名の卒業見込み者へ内定を出すことが出来ました。2人ともとっても人間力のある学生さんです。コロナ禍での薬剤師の在り方を考え、中央薬局で活躍していく未来を大いに期待いたします。皆さんもご期待ください!

夏~秋頃は市中の陽性確認もなく、札幌からの移動者にだけは注意をしながら、「新北海道スタイル」の練習に勤しみました。実践は練習なしにはできません。ゆっくり進む今年だからこそ、オンラインのマネジメントスクールEssentialManagementSchool(EMS)にも参加し、学びを深める1年でもありました。「肯定ファースト」として、まずは相手を認める、そして関係性を深める学びを得ました。自分が今もある部分で抱える対立をテーマに学びましたが、上手く利用できてはいない気がします笑

昨年14本(たぶん)あった講演活動は、今年3本となり、昨年の時点で2,3回行く予定が決まっていた長崎県には一度も行けず、非常に残念でした。こればっかりは対応しきれず…。オンラインでもテイクアウトでも、出来ます!2021年、お仕事の依頼お待ちしています笑

さて、色々なことがあった一年でしたが、なまらシンプルに振り返ると、目標にしていたテーマ「伝える」をしっかりこなしていました笑

明日からは「伝えた」先にある「アクション」を見据えた活動を展開していくことにします。

自分が伝えた先の、行動がある未来。

旭川のため、正義のために、そして自分のために、令和3年も頑張ります。

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