逆噴射小説大賞2019

【蒼雑記】逆噴射小説大賞2019振り返り会【2次選考を受けて】

12月4日20時、ついに発表されましたね。逆噴射小説大賞2019、1次・2次選考結果がね。

発表&講評、読もう!

単刀直入に言いまして、僕の応募作からは「俺と元俺の国喰いのススメ」が通過しました!ヤッタゼ!!

というわけで、自己分析会です。
通過本数が1/5である以上、どうしても反省っぽくなってやや厳しい話になるけど、お付き合いくださいな。
欠点、ミス、力不足、そういう部分を掘り返した先にあるなんかを求めて――反省会行ってみよう!

個別の詳しい話はこちらで。こっちはセルフ褒めが多いので、明るい!

奇をてらいすぎた?

インパクト重視のハイコンセプトを狙うのものよいが、情報化社会の現代でハイコンセプトによって驚かせるのは、逆に、極めて難しい。
(1次・2次選考結果発表記事より)

いや全くその通りでした。

読者自身に語り掛ける形式(二人称小説)」とか「すべて伝聞で構成」とか、ちょっとトリックに走りすぎたな~~と思った。ちょーーー面白いけど、それはそれってやつだ。

幸い「銀と金と千奇万講」は結構ウケたりもしたんだけど、一方ニューマンライツはそこまで刺さった感じがない。いや十分刺さってはいたはずなんだけど、台風直撃の晩にアップしたからリアクションをちゃんと追えてないって言うか…ね?(あふれ出るアホ)

つまりは、ギミックプレイの博打に勝ったか負けたか、で測れる二作であり…それで測れてしまう時点でダメなのだ。表現技法的ギミックはあくまでおまけであり、作品そのものの面白さが先に立たねばらない
ちょっと溺れましたね。策士が策に。

少なくとも、このギミックを巧く使うために800字費やす可能性、リスクは考えなきゃいけなかった。ショートショートではないのだ。本編として本になっている……一回買われた時点でもはや勝ちならともかく、電子連載とかだと「綺麗にギミックがはまって満足でした、おしまい」は十分あるから。

とはいえ、二人称も伝聞スタイルもやってみたかったことではあるので、こういう手軽に試せる場所で広く人々に見せられたというだけでかなりの「シテヤッタリ!」と充実感があるんですよね。やっただけで満足という気はないが、やり切ったことは評価していこう

あとはこれをどう生かすか。

反省点:ギミックが主題になりかけた。ギミックと、普通の部分。両方ができてこそギミックが活きるのであり、800文字しかない土俵ではギミックだけになってしまう。
今後は:狙いどころを狙いすまそう。伝わりにくい、中身がぼやけるリスクを忘れずに。

地力勝負に負けたのか?

一方で表現的なギミックがほとんどない亡霊ギャンブラーも落選してたりしている。

じつはBet everything But no-Lifeが落選してるの、飲み込み切れてないです。めちゃくちゃ自信あったのに。
まぁ自信があったとか哀しいとかで引きずってもいいことないんで、切り替えて分析しましょう

この作品はマジでストレート。ギャンブラー、カジノ、発砲、人がすでに死んでいる、亡霊、ハードでクールな天才役……ってホントキレイに出来たと思うんだけど、落選だ

思うに、原因は二つ。
・ベックが「幽霊」であることの説明に800字を使ってしまったこと。
・発砲するまでが遅すぎるということ

次の反省点にも通ずるんだけど、つまり「会話をすることで場を持たせちゃった」という感じなんですよね。でも、パルプという世界観や暴力沙汰の絶えない黒服とか、そういうのをお題目として並べておいて、ぼんやりした会話と呼吸でなんとかできちゃった。素直にアクションすればいいのに!

そこでアクションができなかったり、ベックとカジノガードの緊迫度合いが巧くイメージできなかったから会話や間を持たせる描写に逃げた…というわけではないです。
けど、この作品はもっとアクションに振ってもよかったのかなぁ、と思いました。結果論だけどね。

反省点:マフィア!ギャング!銃弾!はちょっと俺の中のイメージとアウトプット武器庫の中に少なかった
今後は:じゃあインとアウトのプットを鍛えるしかないよね!

会話劇に傾倒しすぎたか

最後の作品。市民の革命をを遠くから見物しつつ、自分たちのことをちょっとずつ話してみたりする先導者<劇団>

これ、ちょっと本当に会話に特化しすぎてしまった。物語の盤面がほとんど動いてない。

あらすじ、とりわけ人を引き付けるあらすじって何かって考えると、読者を現実から作品へ問答無用に引き込むパワーが必要なわけですね。
そういう意味において「パワーワード/センテンスを組み込む」とか「描写のスピード感あるアクションや場面展開で引き込む」とか「神話」があると思っている。
いや、今理屈をこねたから「思った」が正しいのかな。

とかく、そういう力ある形でこそ人を引き込める――というのを前提にして考えると、ちょっとのんびりお話ししすぎたかなって感じ。改めて読むと。
選考会noteでも、「物語自体が進んでいるか?」って注意はあるし。逆に「国喰い」はひったくりをぶっ倒したり、話は進んでるよなー。

僕自身、いろんな場面で会話劇を褒めてもらっている。ありがたいことだ。
ありがたいことだけれど、だけれどもだ、それに溺れちゃいけねぇや。

会話劇俺にとっては見せ場の必殺は(少なくとも800文字に圧縮した勝負では)ほかの情報を出し切れない足枷にすらなりかねないのだ!
(実際問題、<劇団>についての説明はかなり切ったし、そのせいかわからないけどちょっと正体にピンと来てないっぽい読者・ツイットも結構見た…)

会話劇結構、得意技万々歳。だけどお話そのものの強みや説明、説得力をつぶすようじゃいけないな。

反省点:話し過ぎた。
今後は:それでも会話劇が僕の武器なのは変わらない。これを活かすための事件づくり、シチュエーションづくりをがんばれ。

物語は日常の延長線にある

で、1次・2次選考通過した「雑多街の成り上がりピカレスク~輪廻転生を添えて~」なんだけど。

実は去年の逆噴射小説大賞でも似たような奴が通ってるんですよね。

どうも、「メキシコ」「荒野」「メガロシティ」って言われ過ぎて世界観が大きくなりすぎてるけど、僕のイメージと丁度適合して+ほかのトリック要素も適度に混ぜやすい、いわば僕にちょうどいいパルプ舞台は現代の路地裏なのかもしれない。路地裏サヴァイブはしたことないけどさ。

街で野宿したことはあるな……。

結局、パルプは精神性の話であり、そういう意味では「ハングリー」「浪漫ある仇花より生きることを優先し」「かつ、クールにドライに立ち向かう」みたいな部分を奇麗に出力できるなら舞台はどこでだっていいはずなんだ。
結果として僕はFMラジオを聴いてから仕事をする殺し屋とか、来世の自分とのバディアクションで2年連続2次選考突破をしているわけだからな。それが証拠だ。

で、これをパルプの枠内にとどめないで色々考えると、だ。

「演劇」から何らかの精神性を抽出すれば、そこに舞台がなくても演じて語るカタルシスは得られうるし、「異能」から非日常の興奮を描くことはできるし、「恋愛」を何らかの形で成立させうる。

つまり、えーっと……「あらゆる物語は日常の延長にある」ということで、結局「アカシック・カフェ」でも描いたような、超スケールのミラクルを等身大に落とし込む、っていう僕の基本にして根幹に返ってくるわけですね!(よかった、綺麗にまとまった)

今後も:日常から超常へ、あるいは超常は日常に。

というわけで、僕は僕の作品が好きなのです

特急で直球な反省会でした!
精査がまだ足りない部分も多かろうけれど、とりあえず速報ってことで。

いろいろセルフダメ出しをしはしましたが、個人的にはどれも大事な・自信がある名作ばっかりなので、みんな読んでみてくれよな!!
根っからネガティヴなくせに、こういうときだけは生き生きとしてやがる。GAHAHA!

感想もお待ちしてます!感想ツイート、note、マシュマロ、いろいろあるからよ!

それじゃグンナイ!

Twitterとかマシュマロ(https://marshmallow-qa.com/A01takanash1)とかで感想頂けるだけでも嬉しいです。 サポートいただけるともっと・とってもうれしいです。