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エゴン

先日。東京都美術館で開催中の、レオポルド美術館エゴン・シーレ展へ行ってきました。
テレビ放送する前で良かったのかな。混んではいましたが、激混みというほどでもなく。
エゴンのことは絵心のあるお友達が好きなので知っていましたが、作品を直で観たことはなくて。クリムトの絵も観れるということで、行ってきました。名前は知っていたので、ゼロからではなくイチから学ぶつもりで。

やっぱりそうなんだな

エゴンは、幼少期から絵の才能があって、飛び級で美術学校に入ったとか。
やっぱりそうなんだな。著名な画家ってその多くは若い時期から才能が開花されてるのかな、と。
エゴンの父親は絵とは関係のない駅長の仕事をしていたことから、エゴンが天才と言われる所以なのだと思いました。
デッサンうまいし、エロい作品もやっぱりあるよなー。色の使い方がやっぱりおしゃれだよ。と再確認しました。

やっぱりこれなんだな

気になった作品はいくつかありましたが、やっぱりこれです。

ほおずきの実のある自画像 エゴン・シーレ レオポルド美術館蔵

顔の角度、肌の色の重ね方、ほおずきの色と自画像部分の対照性など、色々気になります。美術館で観た時、顔の表情は自信があるようにも見えるし、不安を抱えているようにも見えました。
鑑賞後日、NHK「日曜美術館」でこの絵がエゴンが逮捕されて釈放後に描かれた、という背景を知りました。画面上で改めて観てみると、違った表情に見えました。白っぽい背景色から、すっきりとした絵だと感じたのです。塀の外に出て、エゴンは清々しい気持ちで描いたのではないかと。自分でもビックリ。作品の背景を知ってから、少しネガティブな印象も感じていた絵から、ネガティブが完全に消えた!
とは言っても、塀の外に出た人がどう感じるのか?について私は知らないので想像です。再出発へ向けての意気込みの表情でもあるのかな。
今後美術鑑賞するときの悩みができました。作品を先入観なく観るのか、背景を知ってから観るのか。はたまたそんなことはどうでもいいことなのか。
予習してから観にいくのかってことですよね。お仕事だったらある程度予習は必要な気がしますが、ふらっと行く時は予習なしで、展覧会の中で知る、学ぶ、って感じで良いのかもしれません。

ほおずきについて調べてみても面白いです。花言葉とか、ほおずきそのものを鑑賞するのも美しいですよね。音を鳴らす遊びは平安時代から行われていたとか、食べることもできるとか、和風小物雑貨にもなるとか。ほおずきをチョイスしているエゴンのセンスを強く感じます。

気になった作品


啓示 エゴン・シーレ 1911年 レオポルド美術館蔵


エゴン本人の説明文がある作品です。一体化したというような内容だったと思います。(記録し忘れました)
私は絵画と謎解きは似ていると思っていて、絵画の解釈は自由だと考えると、謎は謎のままで正解はない謎解きということになりますが、自分なりの謎解きが好きで、そんな謎解き心をくすぐってくれる作品でした。
エゴンの説明や絵の名前から、宗教的、哲学的なものを感じます。右側の2人は一体化しているな、と分かる気がするのですが、左の人はなんだろう?と謎です。3人で一体化なの?目を閉じている2人と後ろ向きの1人。ただならぬ一体化を感じます。目ヂカラを失くすことで、瞑想のような作品にも思えてきました。
ハグしているようにも見えるので、とりあえず今後は誰かとハグする時に「一体化だね」と言ってみようかな、と思ったりもしました。怪しい人でしょうか?

気になったエピソード

いつも気になっちゃう画家の周辺エピソードなのですが、キーワードとしては、今回は「中流階級」でした。もっと絵の技法とか絵そのものについて語りたいところですが、絵が描けない絵画好きとはこんなもんですね。
エゴンは作品に多数出てくる恋人ワリーと別れて、中流階級のエーディトと結婚します。なぜわざわざ「中流階級」と記述する必要があるのか?展覧会では特に階級の説明はなかったと思うのですが、テレビ東京「新美の巨人」では言及していました。おおよその予想通りですが、恋人ワリーは労働者階級出身だったと。ワリーのことを考えると切ないです。絵のモデルになってエゴンを長年サポートしていたのでしょ。
中流階級同士で結婚ということは、当時の時代背景もあるのでしょうね。それでも切ないです。だからこそ切ないのかもしれません。


悲しみの女 エゴン・シーレ 1912年 レオポルド美術館蔵

東京都美術館の建築

いつも気になっちゃう、美術館の建築のこと。東京都美術館は中に入ったのは初めてかも?でした。記憶が曖昧なところがあるので、初めてかも?になります。
ステキな階段を発見!

レンガと階段の色のコントラスト!

旧館は岡田信一郎さん、新館(現在)を前川國男さんが設計。なにぃ!前川國男さん!?江戸東京たてもの園にある前川國男さんの自邸が好きなので、あぁ納得です。

おわりに

エゴン・シーレの展覧会に行って、1の知識が5ぐらいになりました。10が完全コンプリートの知識だとすると、まだ半分ぐらい。コンプリートすることなんてないのかもしれませんが。そして鑑賞後に「日曜美術館」での放送を観て、今回の展覧会では観られなかったエゴンの名作はまだまだあるのだな、と思いました。あと、クリムトの作品ももっと観たかった、とか、ウィーン分離派の活動は面白そうだな、とか興味は尽きないです。

最後までよんでいただき、ありがとうございました。

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