都会ってすごいって見当違いな感想ですか

最近 (といっても数ヶ月前に) あった、大変にたまげた話をしていいですか。
させてください。
します。

先日、とあるカフェで、知人と2人でランチをしていました。

想像してください。
(想像しなくても大丈夫です、読み飛ばしても大丈夫です)
ひと席の大きさはそれほど広くなく、隣のテーブルとの距離も近め。ではあるものの、明るく過ごしやすい空気。客層は9割が女性で、年代は制服姿の子から老夫婦まで。ランチをしている人も、ケーキを食べている人も、フルーツティーを飲んでいる人もいるけれど、みんなそれぞれ、ご飯を目的に、というよりは集っておしゃべりをすることを目的とした空気。

そんな中。

我々2人は行こうとしていたカフェに振られ、
灼熱の中歩き回った末にたどり着いたその地で、
注文を果たしてほぼやり切った状態。
無言。
私は小説、向かいの人はスマホ。
無言。
食事が到着し、黙々と食べていると
否応にも隣のテーブルのお二人の会話が耳に。

どうやら神社仏閣を巡って(?)おられる方のようで、
各地の神社の話やら京都のお寺の話やらで
盛り上がっておられました。

好きだったらさぞ楽しいだろうなー
でも私がそういうのに関心を持てるようになるのはまだ先のことだろうなー(そもそも持つかわからんけど)
日本史、苦手だし。
高校以降とらなかったし。
つまり義務教育で終わってるし。
それすら中学校の社会の先生苦手でちゃんと聞いてなかったし。

まあそんなん思いながら、
ご飯を食べていたわけです。
(ここまでは関係のない序章)

食べ終わって、デザートが来たあたりで、
隣の方の会話は両親の話になっていたようで。

ひと心地つき、
気持ちがプリンに持っていかれていた私は
ほぼ耳も閉じかけていたのですが。

「私の母は編集をやっていた人で」
と聞こえてきて、ピクリ。

「昔はooさん (私の大好きな作家さん) という方を担当してたりして」

???????

???ん???

???え???

「xxx (めちゃくちゃ有名なその作家さんの作品) とか、書いてる方なんですけど」

!!!!!!!

会話しているお相手の方は
いまいちピンと来ていない様子だったので
なんでー!!
と思いつつ。
立ち上がりそうになった自分を抑えつつ。

まあ、関心のある世界が違ったら分からんもんね。
私、さっきの神社の話とか、聞いたことない固有名詞だらけだったよ。

で。
私の驚きと混乱をよそに
というか恐らく
隣のテーブルの人間が
勝手にぶち上がっているとは
つゆほども思わず
そのまま会話は流れ、
現在お母様は何されてるとか
お話しされてたと思うんですが
もう私の魂は全部持って行かれてました。

この方のお母様、
あの方の作品を世に出すという
素晴らしいお仕事の
そこに立ち会った人なの…
その一部を担った人なの…

ジロジロ見なかった私。えらい。

本気で、会計に立つ時に
お声おかけしようかと思ったほど。

いやでも。なんて声かけるねん。
「ooさん大好きです。素晴らしい作品たちを世に出すお仕事、最高です。ありがとうございます、とお母様にお伝えください。おかげで私は幸せです(早口)」
やばいやつすぎる。
普通に会話聞いてんのもおかしいから。
(これに関しては私も良くないなとは思っています、
思ってるならnoteに書くなよ、とも)
(でも聞こえちゃったんだもん!
誰かに言いたいんだもん!)

で、店を出て、落ち着いてから。
こう思ったわけです。

都会って、すごい。

見当違いの反応かもしれないですけれども。

出版業界におられる方は
それなりにいらっしゃって
(いやちょっと業界の話全然分かんないんで、私は勝手に、めちゃくちゃ選ばれし者たちの集団だと思ってるんですけどもね)
それぞれの作家さんに担当している方がいて
その方々も普通に生活をしておられて
どこかには存在しているというのは
もちろん分かってることなんですが。

たまたま私の好きな作家さんを
たまたま担当されていた方の娘さんが
たまたま入ったカフェの
たまたま隣の席にいて
たまたま会話が聞こえてて
たまたまそのタイミングで母親の仕事の話を
ってさ、なくないですか…?
いや、あってもおかしくないのか…(混乱)
作家さんというもの、遠い存在すぎて。
地続きとは思えないんですよね。私の生活と。
本気で、虚構と現実の混ざり合う瞬間でした。
確率的に(?)はさ、
これはやっぱ都会という地のなせる技では。

はい。
以上です。
最後まで読んでくださった方いたらありがとうございます。
とにかく熱量高めで誰かに共有したく。
一応、作家さんの名前は自粛しました。

いやぁ、ご縁って不思議だ。
(繋がってないけどな、勝手に繋がった気になるな)

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