性善説について
静かな午後。年明け。明日から仕事。
朝ごはんと昼ごはんを兼ねたお雑煮を食べて、洗面台で歯を磨いた。寒いけれど心地よい。暖冬、悪くないんだよね。
ネットショップで買い替えた、歯ブラシ除菌ケースが静かにウーウー鳴っている。歯ブラシを入れたら三分間除菌してくれるらしい。二千円くらいの安物の除菌ケース。本当に除菌しているかなんてわからない。ただウーウー鳴っているだけかもしれない。私がそう、信じているだけ。
身の回りは性善説に基づいたことばかりだ。池袋駅で、切符を入れずスマホタッチもせず改札を強行突破するおじさん。常に大混雑なので、駅員にはバレない。そういうことばかりだ。この社会は、人を信じすぎなんじゃないか?性格の悪い人ばかり得するんじゃないか?たとえばウーウー鳴るだけの小物入れを二千円で売ったりとか(除菌していると信じているけれど!)。
あと私の会社もそう。朝から夕方まで"いれば"お給料もらえる仕組みも、性善説に基づいている。トイレに長居しても、三十分おきにタバコ休憩にいっても、おしゃべりに熱をあげていても、宇宙語を母語としていて部下を困らせ続けているおじさんも。
かといって、性悪説に基づかれたら、居心地悪いし、疑心暗鬼になるし、どうしてほしいということもないのだけれど。
人を信じていたい、という気持ちが、人々の根底にあるのかもしれない。こんなに冷たい社会でも。
それか疑うのが面倒くさいだけかもしれない。
つらつらぼんやり考える。
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