夜寝子 yoneko

今日もなんとか生き延びた

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最近の記事

読書感想文 No.3「間違いだらけの文章教室」

間違いだらけの文章教室(高橋源一郎/朝日新聞出版/2019年) 文章を書くと、なんだか頭が良い人のふりをしているようだし、偉そうだし、そんな自分を気に入っているナルシストな奴だと思われないか、不安になる。 それから、自分は正しい文章を書けているのか、意味がわからない文章になってはいないか、知識や語彙の欠如が露呈していないか、不安になって周りの目をおずおずと気にしてしまう。 この本はそんな人におすすめかもしれない。 正しい文章とは何か立ち返って考え、正しく書かれた優等生

    • 映画鑑賞記録 No.10「フランシス・ハ」

      2012年/アメリカ/ドラマ、コメディ、恋愛 不器用で大雑把で27歳になっても大親友と一緒にいるフランシスは、親友と離れることをキッカケに、次々と起こる災難に揉まれながら大人になっていく。 親友への独占欲とか、焦りからくる見栄っ張りとか、空気を読まずに話続けるところとか、子どもっぽさ満載のフランシスだったのに、好きなことではなくて、向いていることを始めたら、すっかり落ち着いて大人になった。 自分のキャリアを捨て、お金持ちと結婚し、日本に移住する親友も、親がお金持ちだから

      • 映画鑑賞記録 No.9「ニュー・シネマ・パラダイス」

        1989年/イタリア・フランス/ドラマ 郷愁の作り方 1.慣れ親しんだ土地を離れること 生まれた土地に居続けると、自分は世界の中心にいて、何かもが普遍だと感じてしまう。だがそれは、ただの幻だ。 2.生まれた土地を出たら、ノスタルジーに惑わされず、長い間帰ってこないこと 2年も経てば全て忘れる。忘れなければいけない。長い年月を経て帰郷すれば、懐かしい友人や故郷と再会できる。取り残された人たちは、トトと直接話せなくとも、噂を聞ければ十分だ。 3.自分のすることを愛する

        • 読書感想文 No.2「ことばの波止場」

          ことばの波止場(和田誠/中央公論新社) クマのプーさんやマザー・グースなどを筆頭に、昔からことば遊びは続けられてきた。 今でもラップは韻を踏んでいるし、日本の歌は五七五に収まりやすい。文化は心に染み付いている。 ことば遊びは言語や文化、リズムに密着しているものだから、英語の本を日本語に訳すのはとても難しい。 日本語は五七五のリズムや頭韻に合った言語だが、ヨーロッパ言語はリズムより脚韻を重視している。確かにそうだ。 筆者は勉強ではなく遊び中心で、ことば遊びをしてきたと

        読書感想文 No.3「間違いだらけの文章教室」

          映画鑑賞記録 No.8「まともじゃないのは君も一緒」

          日本/2020年 自分がふつうじゃない側の人間だと理解しているので、ふつうの人と話すときは、極力自分の話をせず、当たり障りない相槌を打ち、当たり障りない質問だけをするようにしている。少しでも気が緩むと、ふつうじゃないことがバレて、その場にいられなくなるから、いつもピンと気を張って生きてきた。 ふつうじゃないことを貫き通すこともできず、本当の自分をずっと隠してきたし、結婚なんて絶対無理だと諦めていたけれど、映画を観て、「そうか、ふつうじゃない自分を見せてもそばに居てくれる人

          映画鑑賞記録 No.8「まともじゃないのは君も一緒」

          映画鑑賞記録 No.7「街の上で」

          日本/2019年 どちらかというと下北沢みたいなところにいる人間が嫌いだし、古着の良さはわからない。こういう所謂サブカルな集団はなんだか痛くて、ダサくて、嫌いだ。 でも開始20分、あーこの主人公が好きだと思った。なぜだろう。 いつも周りの人に振り回されていて辿々しくてぎこちないのに、意外と飄々としているからなのか。どんな時も、まぁいっか、という声が聞こえてきそうな人だ。 彼女に突然浮気を告白された挙句、別れたいの一辺倒で別れ、フラッと寄ったライブでは美女を発見、見惚れ

          映画鑑賞記録 No.7「街の上で」

          話し言葉 vs 書き言葉

          私は昔から言葉にうるさくて、その拘りは最近ますます悪化してる。 今のブームは「い」抜き言葉。 「ら」ではない。「い」が抜けてるのだ。 皆さん、お気づきでしょうか。 冒頭二行の文中、「い」は二回も抜けている。 一つ目はこちら。 × ますます悪化してる。 ○ ますます悪化している。 二つ目はこちら。 × 抜けてるのだ。 ○ 抜けているのだ。 この違和感、誰かが研究して論文でも執筆していないかしら、と思い、調べてみたけれど「い」抜き言葉ではヒットせず。 どう

          話し言葉 vs 書き言葉

          映画鑑賞記録 No.6「浅草キッド」

          「浅草キッド」 日本/2021 こういう義理堅い師弟関係、現代ではほとんど見かけなくなった(気がする)。 みんながギスギスしていて生きにくいのは、笑いが足りないからなのでしょうか。覚悟が足りないからなのでしょうか。 みんな、師匠にしたがって、どんな時でもボケたらいいのにね。 人生を二度も捨てる程の覚悟は御免だけれど。 柳楽優のお顔がビートたけしに見えるくらい憑依していたし、その他の皆様も言わずもがな。実力派俳優勢揃いという感じ。 タップのシーンも素晴らしい。俳優はすごい

          映画鑑賞記録 No.6「浅草キッド」

          映画鑑賞記録 No.5「舟を編む」

          「舟を編む」 2013年/日本/ドラマ オダギリジョーにチャラい役をやらせたら 右に出る者はいないな。 平成という時代を感じる映画で、 ファッションとかメイクとか顔つきとか、 "今時"を追いかける人たちは 時代遅れな感じ、 ダサさが滲み出ていている一方、 今時を追いかけていない 馬締さんだけは普遍的で ダサくなかったのが不思議だね。 -------------------------------- 言葉は生まれ 中には死んでいくものもある 生きている間に変わっていくも

          映画鑑賞記録 No.5「舟を編む」

          映画鑑賞記録 No.4「ホワイト・ボイス」

          「ホワイト・ボイス」 2018年/アメリカ/コメディ アメリカのコメディだと思って気軽に見始めたら超絶ホラーで具合悪くなった… 痛烈な社会風刺映画なんだけれど、コメディ要素が混ざったからなのか、描写の仕方が気色悪くて仕方なかった。 実力主義とか自己責任とか、全部それに従うしか今は方法がないと思ってきたけれど、映画内で「人はその問題が手に負えないものだと思ったら 見過ごす」というセリフがあって、まさにそれだと思った。 みんな幸せになってほしいよ

          映画鑑賞記録 No.4「ホワイト・ボイス」

          映画鑑賞記録 No.3「心のカルテ」

          心のカルテ/2017年/アメリカ リリー・コリンズはお顔が可愛すぎてチャーミングな役しか似合わないって思ってたけれど、すごくリアルだった。 私自身拒食症になりかけたり、うつ病になったことがあるので、グサグサ刺さるセリフばっかり。 どん底を味わわないと彼女は回復しないと言われてたけれど、本当そうなんだよね。 知ってることについて描く?という課題に取り組んだだけと言っていたけれど、彼女は何を描いたんだろう。 To the bone が「心のカルテ」になっちゃうのはなんか嫌だ

          映画鑑賞記録 No.3「心のカルテ」

          映画鑑賞記録 No.2「tick,tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!」

          tick,tick…BOOM!:チック、チック…ブーン! 2021年/アメリカ/ミュージカル、伝記 _____________________ 創造力って疑問から生まれるよね、確かに。 恋人役の女性がタイプ過ぎて、全てが可愛くて最高だった。 最後の歌がやっぱり良い。 大惨事しか革命を生まないの? とか 名もない指導者になぜ従うの? 間違っていると思うのになぜ従うの? とか 恐怖か愛か とか

          映画鑑賞記録 No.2「tick,tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!」

          読書感想文 No.1「校閲記者の目 あらゆるミスを見逃さないプロの技術」

          校閲記者の目 あらゆるミスを見逃さないプロの技術(毎日新聞校閲グループ/毎日新聞出版) ーーーーーーーーー 私たちは紙面を守る「ゴールキーパー」とも言えます。 誤りを見逃す=失点しても、自ら点を取りに行って挽回するようなことはできません。 けれど、0点に抑えることはできる、負けない試合をすることはできるのです。 ーーーーーーーーー 数年前にTwitterで毎日新聞校閲グループのアカウントを見つけた。 誤ってアプリを消してしまったタイミングでTwitterをすっか

          読書感想文 No.1「校閲記者の目 あらゆるミスを見逃さないプロの技術」

          映画鑑賞記録 No.1「ふたりのベロニカ」

          ふたりのベロニカ(1991)フランス/ポーランド〈ドラマ〉 概要 ポーランドに住むベロニカとフランスに住むベロニカが主人公。ふたりは容姿がそっくりな所謂ドッペルゲンガー。生涯ふたりは互いの存在を知ることもないし、会ったことも聞いたこともないまま映画は終わるが、ふたりとも、なんとなく、どこかにもう一人の自分がいると感じている。その時代のポーランドは共産主義で、独特の暗さや抑圧感が映画でも表現されており、社会情勢が背景に描かれている(らしい)。 ーーーーーーーーー ポーラ

          映画鑑賞記録 No.1「ふたりのベロニカ」

          特に取り柄もないけれど

          横浜生まれ、横浜育ち。 横浜の良い所は一つも思い浮かびませんが、 横浜から出たこともないし 他に好きな場所があるわけでもないので なんとなくずっと横浜にいる。 横浜、飽きたな~って毎日思っている。 現在鬱病治療中につき、 何かやることがないと発狂しそうなので 好き勝手に書いて ストレスを発散しようと思い始めました。 誰かに読んで欲しいとか 何か意見を言いたいとか そんな烏滸がましいことは思っていません。 自己満足。

          特に取り柄もないけれど