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秋の星空

天つ星路も宿りもありながら空に浮きても思ほゆるかな  菅原道真(「拾遺集」巻八雑)

学問の神様としての菅原道真よりも、最近個人的には右大臣から謀略で失意の左遷で太宰府行きとなった道真を思うところですが、「路も宿りも」とは星の運行や星座を意味しているところから始まります。

「空に浮きても」は大岡信さんの「折々のうた」から、空で輝いているというよりは「星はおのおの頼りなく空に浮いている」と詠んだものと解釈すると、星は行く道筋や所属する集団がありながらもそれぞれははかない存在であると、自身を投影している歌なのかなと、これまた自分自身にも置き替えて秋という季節に思いをいたす歌の気がしています。


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