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天香久山

雪ふれば峰のまさかきうづもれて月にみがける天の香具山  藤原俊成(「新古今集」巻六冬)

北陸や東北、北海道では本格的な雪の季節が到来したというニュースもあり、特にコロナ禍の2年ほど季節感を感じることが乏しくなりましたが早くも年末12月ですね。


榊がうづもれるような雪が降り積もり、月の光に輝くほどに美しく神秘的な天香久山と詠ったのかと思いますが、「折々のうた」の中で大岡信さんは、
「『月にみがける』が絶妙。このような形容を見出すために、歌人は命を削ったのである。」というくらいの絶賛をされています。
ただ悲しいことに和歌初心者には、「みがける」って何?どういう漢字?というレベルにしか頭が働かない絶望感ですかね。

それはともかく、
「あまのかぐやま」は漢字の書き方も様々あるようですし、東京で生まれ育った自分は短歌に出てくる言葉として見聞きしたことがあるだけで、実際には観たこともないため、万葉集の時代から当時の人たちが神話的で信仰の対象としてきた山という知識でしか認識できていないのは非常に残念に感じるところで、感染云々が話題になってはいますがぜひとも冬の雪の日本の原風景を観に行きたいと思う次第です。

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