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『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』いま心に響く本探し

HIGH OUTPUT MANAGEMENT
日経BP社

インテル社のCEOであったアンディ・グローブが、まだ現役の頃に執筆した本。他社には秘密にした方が良いような仕事の哲学やエッセンスをも、全て明らかにしたことは本当に意義深い。ここに13箇所を抜粋し、私なりのタイトルをつけてみた。あなたの心に響く抜粋があれば、これがあなたの次に読むべき本かもしれない。


〜 マネジャーの本質 〜
「マネジャーは、自分の部門のアウトプットを最高に上げる活動にエネルギーと注意を注がなければならない。(中略)マネジャーの最も重要な責任は、部下から最高の業績を引き出すことである。」

〜 我々は仕事で誰と競っているのか 〜
「あなたは、いわば似たようなビジネスを営んでいる何百万人の人々と競争状態にあるのだ。(中略)職場の同僚などとは数においてはるかに上回る1000倍もの、1万倍もの、100万倍もの人々が、みなさんの会社と競合している組織で働いてるのだ。」

〜 品質の保証とコストの関係性〜
「製造業者が守るべき大原則は、顧客が満足するような品質レベルの製品を、できるだけ低いコストで顧客に引き渡すことである。(中略)最低のコストで受容できる品質を得るには、欠陥材料をその蓄積価値が最も低い段階で拒否することが絶対に重要である。」

〜 選ばないマネジメントでは無能 〜
「マネジメントの”技術(アート)”というのは、一見比較してみて同じくらいの重要度を持つ多くの活動から、テコ作用の優れたものをひとつ、2つ、あるいはせいぜい3つほど選び出して、それに集中する能力にある。」

〜 マネジャーが担当すべき在庫的活動 〜
「もうひとつの生産原則は、これとはまるで対照的なものといえる。マネジャーはいろいろなプロジェクトに関連する素材というべきものの”在庫”を持たなければならない。(中略)この在庫は、やることは必要だがすぐに達成させる必要はないものーつまり、マネジャーが長期にわたり部下グループの生産性向上のため実施するような任意プロジェクトから成り立っている。」

〜 マネジャーの部下は何人が適切か 〜
「監督業務の多いマネジャーは6人から8人ぐらいの部下がよく、3、4人では少なく、10人では多すぎる。この範囲は部下の一人ひとりにつき、週に約半日をあてなければならないという基準から考えたものである。」

〜 ミーティングは悪か 〜
「ウィリアム・H・ホワイト二世はその著書『組織の中の人間』の中で、ミーティングを、マネジャーが我慢しなければならない「非貢献的労働」として描き出している。だが、(中略)ミドル・マネジャーの仕事の大部分は情報やノウハウの提供であり、物事を処理する望ましい方法を自分の感じたとおりに監督下にいる人々や影響下にあるグループに伝えることである。(中略)この基本的なマネジャーの仕事は両方とも、膝を交えての話し合いのとき、したがってミーティングを通じてのみ遂行できる。」

〜 1on1のコストがもたらす価値 〜
「ワン・オン・ワンの持つテコ作用はどうだろうか。(中略)あなたの割く90分という時間が2週間分あるいは80時間なにがしの部下の仕事の質を上げ、かつ、部下がやっていることについての理解が高まることになる。すなわち、ワン・オン・ワンが発揮するテコ作用は明らかに大きい。」

〜 企業文化とは何か 〜
「信頼というものは(中略)企業文化のひとつの特徴を表している。(中略)簡単にいえば、それは、会社の抱いている価値と信念の総体であり、同時に社内で物事がどう処理され、また、どう処理されるべきかをみんながよく知っていることである。」

〜 兼務が上手く機能する条件 〜
「要は、二重所属制度と同僚による意思決定がうまく作用するためには、強力で積極的な企業文化が、絶対に必要だということである。」

〜 自己実現の欲求の度合い 〜
「研究員はここでの行動の種類を3つに分けた。最初のグループはギャンブラーと名づけられ、高い危険(リスク)を冒すが、出来事の成果に影響力をふるうことはしない。2番目のグループは慎重派と呼ばれ、危険なことはごくわずかしか試みない人たちである。3番目のグループは、達成者(アチーバー)と呼ばれ、自分でどこまでできるかという限界をテストしなければ気がすまない人たちだった。

〜 査定の内容を伝えるときの注意点 〜
「考課の内容を伝えるとき、心に留めておくべき、Lの頭文字のことばが3つある。それは、Level(相手のところまで降りていって率直に)、Listen(相手の話をよく聞き)、Leave yourself out(自分を圏外において、客観的にみること)である。」

〜 ピーターの法則 〜
「優れた仕事をした人は昇進させられるが・・・彼は無能のレベルに達するまで昇進を続け、そのレベルにとどまる」


いくつかの抜粋に興味を持った方は、きっとこの本を楽しめると思うので、ぜひ読んでみることをお勧めする。


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