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『人を動かす』いま心に響く本探し

D・カーネギーが1936年に書いた大変古い本だが、世界中の本屋に必ずと言って良いほど置かれている名著。タイトルからリーダーシップに関するビジネス本と誤解されそうだが、原著のタイトルは「HOW TO WIN FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE」であり、人付き合い全般に関する本である。

ここに13箇所を抜粋し、私なりのタイトルをつけてみた。あなたの心に響く抜粋があれば、これがあなたの次に読むべき本かもしれない。


〜 批判ではなく、共感して提案する 〜
「批判が呼び起こす怒りは、従業員や家族・友人の意欲をそぐだけで、批判の対象とした状態は少しも改善されない。(中略)そこでジョンストンは、別の方法を考えた。「ヘルメットってやつは、あんまりかぶり心地のよいいもんじゃないよ、ねえ。おまけに、サイズが合っていなかったりすると、たまらんよ。ー君のは、サイズ。合ってるかね」まず、こう切り出して、そのあと、多少かぶり心地が悪くても、それで大きな危険が防げるのだから、ヘルメットは必ずかぶろうと話すのである。」

〜 自己の重要性と人類の文明 〜
「父は、(中略)それを中西部各地の家畜品評会に出品して、一等賞を何度も獲得していた。(中略)この賞は、父に自己の重要感を与えたのである。もし、我々の祖先が、この燃えるような自己の重要性に対する欲求を持っていなかったとすれば、人類の文明も生まれてはいなかったことだろう」

〜 お世辞より感嘆を表現する 〜
「お世辞と感嘆の言葉とは、どう違うか?答えは、簡単である。後者は真実であり、前者は真実でない。後者は心から出るが、前者は口から出る。後者は没我的で、前者は利己的である。後者は誰からも喜ばれ、前者は誰からも嫌われる。」

〜 持つべき謙虚さ 〜
「エマーソンは、また、こうも言っている。「どんな人間でも、何かの点で、私よりも優れているー私の学ぶべきものを持っているという点で」」

〜 他人に関心を持たない人が送る人生 〜
「ウィーンの有名な心理学者アルフレッド・アドラーは、その著書でこう言っているー「他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗はそういう人たちの間から生まれる」

〜 ブロードウェイの有名な奇術師の舞台前の心境 〜
「私の舞台を見にきてくださるお客さまがいるのはありがたいことだ。おかげで、私は日々を安らかに暮らせる。私の最高の演技をご覧にいれよう」

〜 仕事への取り組み方は人それぞれ 〜
「まるでどんちゃん騒ぎでもしているような具合に仕事を楽しみ、それによって成功した人間を何人か知っているが、そういう人間が真剣に仕事と取っ組み始めると、もう駄目だ。だんだん仕事の興味を失い、ついには失敗してしまう」

〜 冷たい会社を温かくする方法 〜
「会社というものは大きくなればなるほど冷たくなる。冷たい会社を暖かくするには、一つの方法がある。人の名前を覚えることだ。重役たちの中には名前が覚えられないという人もいるが、つまりは重要な仕事が覚えられない、すなわち仕事の基礎ができていないことを告白しているのだ」

〜 二人の教授が見る人間性の根源 〜
「重要な人物になりたいという願望は人間の最も根強い欲求だと言っている。(中略)人間性の根源をなすものは、他人に認められたいという願望だと断言している」

〜 議論に勝つ唯一の方法 〜
「議論に勝つ最善の方法は、この世にただ一つしかないという結論に達した。その方法とはー議論を避けることだった。」

〜 なぜ意見の不一致は必要か 〜
「”意見の不一致を歓迎せよ”ー「二人の人間がいて、いつも意見が一致するなら、そのうちの一人はいなくてもいい人間だ」という言葉を銘記すべきだ」

〜 人が説得されてしまう場面 〜
「人を説得したければ、(中略)教えないふりをして相手に教え、相手が知らないことは、忘れているのだと言ってやる」

〜 意見の対立する人との話の進め方 〜
「人と話をする時、意見の異なる問題をはじめに取り上げてはならない。まず、意見が一致している問題からはじめ、それを絶えず強調しながら話を進める。互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを、相手に理解させるようにし、違いはただその方法だけだと強調するのである。」


著者が調べた多くの事例を交えた人付き合いのコツを上手に並べ、随所に偉人の言葉も散りばめることで、包括的でかつ実用的な本に仕上がっている。

いくつかの抜粋に興味を持った方は、きっとこの本を楽しめると思うので、ぜひ手にとって読んでみることをお勧めする。

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