ひとりごと
君と別れて、気づけばそこそこ長い時が過ぎた。
お別れしたばかりの頃は、顔が痛くなるほど、わぁわぁ泣いた。体の水分がなくなって、シワシワになっちゃうんじゃないかと思うほど泣いた。
でも時が流れて、
だんだん楽しかったことを思い出すことも、君のことも考えることもなくなった。
そのうち、嗚呼忘れることができたのだな。そう思うようになった。
でも、たまに夢で君に会うと、もう会うことのないだろう君と会うと、起きてしばらくとても寂しい気持ちになる。そうすると、まだ風の中のどこかに君がいるのだなと思う。
寅さんのように次々に色んな人と巡り会えて、恋できたらいいのになと思うけれど、やっぱり寅さんはその度に失恋していて、それはそれで辛いし可哀想だなと思ったりなんかして。
ひだまりのような優しくてあたたかい気持ちになれるような素敵な恋ができる日が来るのを願って、風は少しずつ前へと進んでいく。
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