つづく

ビラ配りをさせられた 覇気のないわたしを店長はくどくど説教した 仕方がないから店先に立った 隣の居酒屋の女の子たちは笑いながら踊りながら客引きをしていた だからわたしは空を見上げたり、ゴミをあさる男を観察したり、若い女と酔ったおじさんの会話を聞いたり、デニーズに吸い込まれる家族を見送ったり、キャッチの男の刈り上げを眺めたりしていた こんなバイトやめてやる、と思った 五分おきに通る大きなバスにぶつかって死んでやる、と思った 「お先に失礼します」と言う頃にはすっかり忘れていた そしてつづく 死ぬまでつづく 日常どうしが摩擦する 氷だって77億もあったら熱をだす

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