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「シルバニアファミリー」のシルバニアってどこにあるのん...?

とりあえずこの地図を見てくれ

なにか気付きませんか?

え、よくわからん?

では、これならどうでしょう?

おい、この辺の国名、みんな後ろ2文字が-iaじゃねぇか!!!

記事の長さ★☆☆☆☆
おふざけ度★★★★☆



地名接尾辞(toponymic suffix)


世界地図をぼんやりと見ていて、な~んとなく規則性を感じる国名っていくつかありませんか?

たとえば、○○スタン系は分かりやすいのではないでしょうか?

なんちゃらスタンで終わる国名は現在6ヶ国あります。

  • アフガニスタン

  • パキスタン

  • カザフスタン

  • ウズベキスタン

  • トルクメニスタン

  • タジキスタン

-stanというのはペルシャ語で「土地」や「国」を意味します。

この6ヶ国以外に他にもバルチスタン(バローチ人の土地)やクルディスタン(クルド人の土地)なども聞いたことがあると思います。

かつてはキルギスタンという国もありましたが、「俺はお前らとは違う」となってしまい、キルギスに改称されました。

あとは○○ランドとかも親近感ありますよね

  • イングランド

  • アイルランド

  • アイスランド

  • グリーランド

  • ニュージーランド

  • ポーランド

  • フィンランド

ぱっと思い浮かぶのはこのあたりでしょうか?

しかし、フィンランドやポーランドはあくまで英表記上の都合で○○ランドとされており、正式名称はスオミ(フィンランド)やポルスカ(ポーランド)だったりします。

-land=○○の国、土地という用法はあくまでゲルマン諸語での話で、それ以外のなんちゃらランドは英語表記上の問題でそうなったケースが多いのです。日本は日本なのに英語だとJapanみたいな、そんな感じです…

さて、-stan-landのお話をしましたが、こういったものを
地名接尾辞(toponymic suffix)といいます。

国名に限らず、地名や都市名にもあります。

たとえば
ロシア語だと
○○グラード-град (城塞都市)
○○スク-ск (都市)

下記のサイトは接尾辞ではなく接頭辞ですが面白いです。

ドイツ語だと
○○ベルク -berg(山)
○○ブルク -burg(城)

みたいな感じです。

そういえば昔、うにゃんこは「大阪」をドイツ語っぽくしようと考えたことがあるのですが、

Hügelstadt(ヒューゲルシュタット)になりました。

直訳すると「丘の都市」です。どうでしょう?

え、いまいち….?


みんな大好き○○ia


さて、最初の画像にもどりましょう

この地図の中で丸をした国名は

  • チェコ

  • スロバキア

  • オーストリア

  • スロベニア

  • ルーマニア

  • クロアチア

  • ボスニアヘルツェゴビナ

  • セルビア

  • ブルガリア

  • マケドニア

  • アルバニア

  • チュニジア

の12ヵ国です。ランドやスタンと比べて、一体感はそこまで感じませんよね。

しかし、英語表記にすると-iaが異様に多いことに気付くはずです。

バルカン半島に限らず、世界各地に-iaで終わる国名が存在します。

いくらなんでも多すぎる…


上で紹介したものに加えて、

Spain
Britain
Italy
Hungary
Germany
といった国名も

Hispania
Britainnia
Italia
Hungaria
Germania
というラテン語名が元となっています。

先ほどの-stanや-landのそれと同じように、-iaはラテン語系において○○の国、○○の地という意味を持っているのです。


ギリシャ語・ラテン語は-iaが大好き?

-iaが国名に多く使われていることは分かりましたが、実は地名だけではなく、世の中のいろんなものに-iaの接尾辞があります。

・マニア "μανία"「狂気」「熱狂」

ユートピア "οὐτοπία"「存在しない場所」←実現できないレベルのバカえぐい理想郷?元はトマス・モアの造語です。

・バクテリア  "βακτηρία"
「小さな杖」←バクテリアに棒状のものが多かったかららしい。

・ノスタルジア "νόστος" (nostos) + "ἄλγος" (algos)
「帰郷の痛み」を意味します。「νόστος」(nostos)は「帰郷」を、「ἄλγος」(algos)は「痛み」を意味し、合わせて「故郷への帰郷や過去への思いからくる痛み」

・アカデミア "Ακαδημία"←
プラトンが作った学校アカデメイアに由来。

そういえば昔、某所で「幼稚園の園ってなんだよ」という話をしたことがありますが、似たような言葉で「学園」があります。「学園」という言葉もアカデメイアから来てるみたいです。(アカデメイアが森の中にあったから?)


ヨーロッパ圏におけるローマの神聖視?

なんか、あの辺の国はやたらとローマを神聖視します。

「ローマまじパネェ!!かっけぇ!!」

って感じです。たぶん。
まあ実際に「第三のローマ」を名乗るやつ多すぎじゃね?問題はありますよね。

欧州ではローマという文化的・歴史的な影響力とブランド力が強いので、虎の威を借りて正統性を主張するにはもってこいだったのでしょう。

某チョビ髭が作ろうとしていた世界首都ゲルマニア(-ia)というネーミングもそうした憧れを感じます。

だいたいこれのせいだろ


スペインやポルトガル、フランスが強すぎた?

大航海時代以降は欧州のみならず-iaで終わる地名が世界各地にたくさん生まれます。

たとえば、オーストラリア(Australia)はラテン語で「南の地」を意味する 「terra australis」から来ています。

こういうのは、見つけたもん勝ち・占有したもん勝ちでどんどん名称が決まっていきます。

また、世界地図上で多く使われている地域名としても

ユーラシア (Eurasia)
アジア (Asia)
オセアニア (Oceania)
ミクロネシア (Micronesia)
メラネシア (Melanesia)
ポリネシア (Polynesia)
シベリア (Siberia)

ってな感じで-iaがすげぇ多いので、ラテン語圏の地名・地域名決定への影響力の大きさが分かると思います。

僕もいつか建国して、カラアゲリアを作りたいです…


シルバニアファミリーのシルバニアがどこか考察する。

さて、めっっっっっっっっっっっっちゃんこ長い前置きでしたが、シルバニアがどこにあるか探してみましょう。

ちなみにシルバニア(Sylvania)は、ラテン語の「silva」(森、森林)に-iaの接尾辞をつけたものなので、森の国という意味です。

Googleマップにあるかな?(わくわく)


アメリカにめっちゃあるので考察終了です。

いやいや、そんな、こんなに前置き長いのにこれで終わっちゃうの?

ていうか、そもそもシルバニアファミリーはヨーロッパがモデルらしいので、新大陸だとそのイメージが崩れてしまいます。

なので除外します。(おい)



トランシルヴァニアファミリー?

トランシルヴァニアはハンガリーの東側、ルーマニアの北西部に位置する、カルパティア山脈に囲まれた地域です。

トランシルヴァニア(Transylvania)という名前自体はラテン語を組み合わせた言葉で、「Trans-」は「向こう側」や「越えて」を意味し、「Sylvania」は「森」を意味します。つまり森の奥の地ってことですね。

ここで言う「森」はハンガリー側から見た西カルパティア山脈、つまり「アプセニ山地」ということになります。

ここ!!

ちなみに、史実にもトランシルヴァニア公国というものがあります。

ハンガリーモハーチの戦いで負けてオワコンになりオスマンの支援の支援を受けて誕生したのが「東ハンガリー王国」(後のトランシルヴァニア公国)です。

シルバニアは多民族国家?

シルバニアがバルカン半島に位置するもう一つの根拠がシルバニア多民族国家説です。

公式サイトなどを見ていると、どうやらシルバニアファミリーは○○ファミリーという感じのシリーズが多いみたいです。

これは何かのヒントになるかもしれません。シルバニアファミリーの登場人物について調べてみましょう。


うん、多すぎ。

字小さすぎて分からん

公式サイトによると、現在は43もの諸侯が存在するようです。

また、うにゃんこのイメージではウサギ系ファミリーが多いと予想していたのですが、実は近年ネコ系ファミリーが影響力を増しており、今後のネズミ系ファミリーの立場が心配です,,,

ウサギ家
・ショコラウサギファミリー(ショコラ朝)
・フローラウサギファミリー
・マーガレットウサギファミリー
・しろウサギファミリー
・みるくウサギファミリー

ネコ家
・ペルシャネコファミリー
・ラテネコファミリー
・シルクネコファミリー
・メイプルネコファミリー
・チャコールネコファミリー
・シマネコファミリー
・ほしぞらネコファミリー

中でも権威・家格が高いショコラ家は中央に鎮座
この"ファミリー"の中で頂点を決めるとしたら、イメージはこんな感じなのでしょうか?


想像以上に登場人物が多すぎたので、前述のアプセニ山地や、カルパティア盆地などのちっこくて狭い領域だけで想定するには

かなり無理があるように思えます。

また、ペルシャネコファミリーがいるってことはペルシャ方面にも進出していた可能性があります。

なので、正しいシルバニアの領域は以下の通りです。


いかがでしたか?

ここまでご覧いただきありがとうございました!!



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