イサム・ノグチ美術館

イサム・ノグチ美術館を訪れた。彼はこの場所に、日本人として大切にしなければならないものを残した。日本人こそこの場所に行くべきだ!そんな思いを伝えたい。今日はこの日記を街角のコーヒー屋さんからお送りする。

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クイーンズにあるこの美術館は、元はイサム・ノグチのアトリエだったそう。ここもまた、前記のDia:Beaconのように自然光の差し込む、落ち着いた空間が広がる。

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彫刻に関しては全く知識がなくて、いい悪いがわからないけれど、見ていてわくわくする感覚があった。名前や説明はなくて、本当の、ご想像にお任せしますといった感じで、誰かと一緒に行っていろいろと意見を言いながら観てみたい気もするし、こうして1人でうーんと考えながら観るのも良いんだろうな。

そして特に2階の展示には感銘を受けた!2階には、イサム・ノグチが表現する、和の世界が広がっていた。さまざまな形をした石たちが並び、絶妙な配置で表現された日本庭園のようなアートや、窓の外の緑までも画角の一部として計算されて配置されている空間に癒される。畳に座ることの出来るスペースがあって、久しぶりに畳に座った。ニューヨークにいながら、畳に座った。なんとも言えない幸福感があった。

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広島にある、平和記念公園内の、原爆死没者慰霊碑のデザインとなった模型があった。結果的には採用されなかった。彼がアメリカ人だったからだ。小さな頃から何度も見てきた平和記念公園にあったかもしれないと思うと、少し残念だ。

私の両親は日本人だし私自身生まれも育ちも広島県であるから、アメリカ人の母を持ち、2つの文化に触れながら育ってきたイサム・ノグチの感覚とはどのようなものなのだろうと考えていた。彼の作品には、日本らしいといえば日本らしいけれど、やっぱりどこか日本人とは違う感覚を持っているからこその視点の面白さを感じる。トムサックスのティーセレモニーをオペラシティに観に行ったのだが、トムサックスもイサム・ノグチの姿勢に影響を受けたと言っていたし、そういった違った視点から日本というものを観た時、改めて日本の素晴らしさに気づけることもあると感じた。

その話を、一緒にティーセレモニーを観に行った人に話した。ニューヨークにいながら、そのような考えになることが面白いなと言われた。京都や鎌倉の寺院を巡って日本の良さ再発見みたいになるのはわかるんだけど、ニューヨークでそんなことが起きるのか、と。

外国の方々がこれらを観ると、違う文化に触れられるしきっと面白いと感じるだろう。日本人だからこそ、改めて日本について考える機会はなかなかないから、とても貴重な体験になった。

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畳に座っていると、コンニチハ!と声をかけられた。白人のおじいちゃんだった。ゲンキデスカ?と言った。元気ですよ、と答えた。通じたぞ!実は5分前に覚えたんだ。僕は日本が大好きだよ。日本の文化は本当に素晴らしい、と言っていた。

他人から日本を褒められると、やっぱり嬉しくなるものだ。お正月に帰省したら、おばあちゃん家の畳でお昼寝したいな。




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