「憧れと理解」2022年7月27日

買うだけ買って、中身を全然読んでいない本が多すぎる。
特に雑誌に至っては、写真や絵だけ目で追ってそれで終わり。これでは勿体無いし、「この本に私の絵を載せてください!まともに読んでないけど!」は流石に失礼にもほどがある。なので、「今更と思わずに今まで読んでいなかった本の中身を全部読もう!」と意気込んでみることにした。

『illustration 2022年3月号 no.233』

米山舞先生のカレンダーだけ部屋に飾って、まともに中身を読んでいなかったが、特集インタビューを読んでハッとした。

米山舞先生のイラストの印象としては、言わずもがな、アニメ現場で鍛えられた圧倒的な画力。そして流れる様な美しいシルエットと画面作り。あとは色収差やレンズぼかしを用いた効果的な視線誘導と雰囲気作り。
掲載の特集インタビューで意外だったのは「色が苦手」だと語っていたこと。そして、白黒が好きで、自由に描いてと言われたらモノクロームの絵を描きたいも言っていたこと。米山舞先生の美しい作品は、明度のコントロールによるものだったんだな。掲載されていた複数のモノクローム作品を見て、改めて思い知った。どうしてもイラストを見ると「色がキレイ!」と表層的な色選びを褒めてしまいがちだが、的確な色の濃淡の置き方が作品のクオリティを左右するんだということがよく分かった。ネット上の誰かが言っていた言葉を引用するが、「色彩で個性を出すのには限界がある」。
自分もその絵を見た人がどんな感情になってほしいのかを自在にコントロールできる絵がかけるくらいの技術を磨いていきたい。

あとは人柄の良さに対しての言及が多かったこと。確かに、YouTubeなどでお話されているところを聞くと、物腰が柔らかく気さくな印象を受けるので、「やっぱり良い人なんだぁ〜」とちょっとウットリ(ドキドキ)しながら記事を読んでいた。
別のインタビュー記事で、米山先生も所属しているSSS by applibotのメンバーは皆「よく喋り」「言語化を大切にしている」と書かれていた気がする。画力もそうだけど、それ以前の「人柄の良さ」「コミュニケーション力(言語化を含む)」が仕事や何か大きなものをつくる上で大切なんだなと当たり前のことに気づいた。
孤高の天才に憧れていたけれど、自分が好きなイラストレーターやクリエイターは皆優しくて人柄が良いもんな…(※イベント等でお話した印象)。自分も、絵描き以前に、人柄の良い人になろう。

他にもインタビューや対談がたくさん載ってるのに、米山舞先生の話で終わってしまった。
だって、憧れなんだもの。好きなんだもの。今イラストを描いている若人は皆、米山舞先生に憧れていると言っても過言ではない。

というか、米山舞先生って今まで出してた画集は全部自主制作で、商業で画集出してなかったんだね。言われてみればそうだけれど、これだけの実力とキャリアがあるのに意外だな。発売されたら絶対にほしいな。

久々に絵の話をした気がする。今日は定時で帰って絵を描くぞ。
それでは、さようなら。

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