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日本のその先の未来へ思うこと

去年の年末、些細なことから思ったことです。

イヤフォンが欲しくて東京の少し大きめの電気屋さんに行きました。気に入った商品が見つかったので、もう少し詳しい詳細を知りたくなり店員さんに質問をしました。日本人だと思って声をかけたら中国の方で、とても可愛らしく笑顔と少し訛りのある日本語で接客してくださいました。

ふと、店内を見渡すと自分を含め10名ほどのお客が店内の商品を手に取ったり、友人同士で色々意見を言い合いながら商品を選んでいました。話している内容や様子を見ていると半数以上が中国から来日されたお客のようで、日本の電気屋にいるのにまるで中国にいるような錯覚を覚えました。

日本にいるのに、外国にいるような感じ。
しかも、外国の方が集まるような場所でもないのに。

電気屋さんでの出来事を通して、日本の経済と消費が衰退している事を知識として知っていた感覚より、さらに身近に感じました。

去年、中国のEC市場周辺に関して調べる機会があり、ある程度、調べ終えて知識が少し蓄えられていたため、より身近に感じたのかもしれません。調べた内容をどこかに掲載する予定もないので、もし、同じように感じている人もいるかもしれませんので、思うまでに行き着いた理由を3っつ書き残したいと思います。

理由1「中国のGDP(国内生産量)の上昇」

近年、爆買いという現象が日本のあちらこちらで見られました。急激な経済成長により中国の方の所得が増えライフスタイルが向上したことにより、質の良い商品を求め、海外の商品を買い求めたことによりおきました。
中国のこれまでのGDPを見ると爆買いの時期など色々と納得できます。以下のグラフは中国と日本のGDPを棒グラフにして比べたものです。

爆買いが盛んだった頃の2011年~2014年はもちろんのこと、2007年あたりから始まっている中国の急激な成長がよくわかると思います。中国の所得が急激に増えたと推測できます。同時に、爆買いが盛んになっていた頃、日本が停滞していることがもわかると思います。

理由2「中国のCPI(消費物価指数)の変化」

GDPだけでなくCPI(消費物価指数)にも変化が見られました。以下のグラフは中国と日本のCPIを比べたグラフです。

日本は1980年〜近年まで横ばいですが、中国はGDPに合わせて上昇しています(1980年〜2000年のGDPが調べられていなく申し訳ありません)。しかも、1980年から2000年にかけて急激に伸びていることから、この時期に消費者のライフスタイルが急激に変化している様子が想像できます。そして、とうとうCPIが日本と中国が逆転した2010年〜2011年にGDPも逆転しています。

所得が増えているという予想は賃金のアップ率から裏付けできます。上海のコンサルティング会社が近年の平均賃金のUP率に関してメルマガにてデータをまとめておりましたので、もしご興味あるようでしたらメルマガ登録後データを閲覧できるようになりますので登録してみてください。

http://cochicon.com/
2017年6月15日 CoChi HR NAVI vol.122
(2016年社会平均賃金の公表状況、福利厚生~商業保険の動向~他)
など。他のメルマガの内容も興味深いものが多いです。

理由3「中国と日本の総人口数と人口増加率の違い」

グラフを見る前に、中国は人口13億7856万人。日本は1億2646万人。総人口に大きな開きがあります。人口構成図に関しては、波が変わることはあまりないので、10年後も想定できるよう、2010年のグラフを掲載いたします。

現在の30代〜40代が独身であったり安心して出産できない社会の現状や、何らかの事情で出生率を維持できなかった事により人口が増えるはずのタイミングを逃し、少子化の深刻化が進んでいる様子がグラフから確認できます。
これから消費する人口が増えない、さらにGDPも伸び悩んでいるため消費を抑えた事で、CPIが横ばいになってしまうことに納得できます。追い討ちをかけるように、2016年の人口増加率も徐々に下がり続けているため、消費だけでなく時が進めば進むほど少子化もさらに深刻な問題になっています。
(数値・グラフ参考:http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2016np/index.htm

中国はこれから消費が増える10代〜20代の人口の割合も多く、人口構成も若いので中国全体が発展し続けてゆくことが想定できます。2010年に20〜24歳のグラフが伸びていることから、日本と同じような出生率が一時期上がったことが想定できます。また、0〜4歳児の人口のグラフも伸びています。

まとめ

GDP、CPI、人口構成などのグラフを調べたことで、

- GDPが伸び悩んで収入が増えにくいこと。
- 収入が増えにくい、から消費が抑えられていること。
- 今後消費する人口が減っていく未来のこと。

などなど、日本の経済成長や消費が落ち込んでいることをデータからある程度理論立てて知ることができたのですが、最初の電気屋さんでの出来事で実感しました。

データは中国と日本を比較する内容でしたが、中国と比べただけのことで、どの国と比べても変わらない日本のデータです。

もしかしたら電気屋さんでのような体験が、今後、増えるかもしれません。
今回の体験は色々と考えるきっかけにもなりました。大げさですが日本人として生き残ることができるのだろうか。次の世代へ引き継ぐためにも、どう生きて行くか、何を学んで行くべきなのか、きちんと考えてゆかなくてはと。

(※グラフやデータ内容などは出展元の資料の数値を見やすいようにと思い、一部分作り直しさせていただいております。)

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