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雑想2

僕は自由が嫌いだ。怖いと言ってもいい。最近何かと自由が取り沙汰されているのを遠巻きに眺めながら、自分の自由に対する恐怖心について考えている。 最初に引っかかったのはいつだったか、ピアノのレッスン中のことだ。当時何らかの試験対策の練習をしていたように思う。そのレッスンの中で即興演奏をやってみなさいということになったのだ。もちろんゼロから演奏しなさいというわけではなく、簡単な曲が渡されて初見で弾きながら即興をつけろ、というのが課題だった。初見で、即興で弾いて。それ以上の指示もな

    • 雑想1

      心が穏やかな人がていねいなくらしをするのではなくて、ていねいなくらしをしているから心が穏やかになるのではないか。 生活の手数を増やすことで日常に潜む暇を減らし、余計なことを考える時間を削減することができる。 最近祖父母が老人ホームに入居し、90歳を前にして新たな生活環境におかれている。環境の変化で最も大きかったのが、祖母の負担が減ったことだ。もともと心配性で、「足が痛い(気がする)」や「手がむくんでる(気がする)」といったような病気の心配ばかりしている(しかし本当に驚くほ

      • 第26回定期に寄せて

        W・A・モーツァルト 「フィガロの結婚」より序曲 高い人気を誇るオペラ「フィガロの結婚」より、モーツァルトの膨大な作品の中でも特に人気のある序曲を演奏します。 序曲 Presto(ニ長調、2/2拍子 アラ・ブレーヴェ) ピアニッシモの合奏で開始し、すぐに派手に盛り上がります。演奏時間は5分以内と短いながらも、軽快な曲調の中に昼ドラ的ドタバタコメディであるオペラのあらすじが凝縮された作品です。(演奏時間:4分程度) F・J・ハイドン 交響曲第104番 ニ長調 「交響曲」と