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舘野ゼミ書評:課題図書「マインドセット」

こんにちは!舘野ゼミ1期生のちなつです。

今回はゼミ1年目に課題図書として読んだ、キャロル・S・ドゥエック著、今西康子訳の「マインドセット」についての感想文を記事にしたいと思います!

本の概要

まず本の概要を説明します!

人には「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」の2つのマインドセットがあります。
「硬直マインドセット」は自分の能力を才能によって固定されたものと捉え、できるとわかっている能力のみを証明しようとする考え方です。
その一方、「しなやかマインドセット」は、自分の基本的資質は努力次第で伸ばすことができると信じ、新しいことに挑戦する考え方です。自らの成長に繋げられる考え方が後者であるのは言うまでもありません。
ただ、今「硬直マインドセット」の人も、意識することで「しなやかマインドセット」になれるので、考え方を変え新たなことにチャレンジし、自らを成長させていきましょう、といった内容です。

では、ここからは読んで私が感じたことについて書いていきます!

褒められて伸びるタイプは、ただ褒められればいいわけではない

世の中にはいわゆる「褒められて伸びるタイプ」の人がいて、私もその一部であると思っていました。しかし、今回この本を読んで感じたのは、「褒められて伸びるタイプ」も単に褒められれば良いのではないということです。むしろ褒め方を間違えれば、努力し成長しようとする気持ちさえも奪いかねないと思いました。
これは、私が幼い頃から周囲の人に「運動神経がいい」「地頭がいい」「器用」など、元から備わった能力を褒められて育ってきたために、結果が伴わない場合のことを恐れて自分の限界に挑戦できなくなってしまった実体験からも言えることです。

でも反対に、才能ではなく努力の過程を褒められれば、しなやかマインドセットになって成長に繋げられ、「褒められて伸びる」ということができるのではないかと思いました。

よって、褒め方はマインドセットやその先の成長に、良くも悪くも多大な影響を及ぼすのだとわかり、気を付けなければならないと感じました。

コミュニティ全体で「しなやかマインド」を目指すことの重要性

私が本を読み進めていく中で、1点疑問に思ったことがありました。
それは、個人で「しなやかマインドセット」を目指すだけで本当にいいのか、ということです。

例えば、本の中で「女子だからという理由で数学の答えを不正解にされ不満を持ったが、仲間同士で励まし合い議論したので楽しく学べた」という例が取り上げられています。
しかし、しなやかマインドだからといって全員が最終的に「楽しく学べた」と感じられるわけではないと考えました。むしろ「自分が女子であるが故に今後も同じような偏見や理不尽な扱いを受けることがあるかもしれない」といった不安を抱きかねないと思います。
従って、数学の答えを不正解にされた女子一人がしなやかマインドを目指すだけでは不十分だということです。

ではどのようにすればこの問題を解決できるのでしょうか。

それは、個人だけでなくコミュニティ全体としての意識を変えていくことだと考えます。すなわち、女子だからと言って不正解にする人を「男女関係なく、努力すれば誰でも理数科目はできるようになる」というマインドセットに変えるということです。
この解決方法をとれば、生徒に疎外感を覚えさせる原因を根本的になくせるため、嫌な思いをする人もさせる人もいなくなります。よって、個人の意識だけを変えて「疎外感に立ち向かえるマインド」を作るよりも、遥かに全員にとって良い選択であると考えました。

舘野ゼミで今後意識したいこと

これらのことから、ゼミ内でも「全員で」フィードバックの仕方について意識していくことが重要だと思いました。
「○○は〜〜が得意だからね」などといった元々の能力を讃える褒め方ではなく、それが得意になっていったプロセスを褒めるようにしていくことで、全員で「しなやかマインドセット」になっていきたいです。
また、そうなることで新しいことを恐れずみんなで様々なことに挑戦していきたいと思います。

(↑これは1年前に書いた文章ですが、実際1年間活動してきてこのことが実践できているように感じ、嬉しいです!)

ゼミ活動をしている中で、今でも度々会話の中に出てくる「しなやかマインドセット」ですが、ゼミに限らず普段の生活でもすごく大事な考え方だと思うので今後も意識していきたいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

【今回取り上げた書籍】





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