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きゅんを届ける恋愛シミュレーションゲーム「箱庭ショコラ」を作ってみた。

こんにちは。たりです。

2月14日のバレンタインデーに、ブラウザで遊べる恋愛シミュレーションゲーム「箱庭ショコラ」をリリースしました。

オンラインサロンShibajukuのメンバーであるみこまさんと一緒に制作しました。
担当はこんな感じ。

企画:たり
シナリオ:たり
キャラクターイラスト:みこまさん
デザイン:みこまさん
実装:みこまさん
ロゴ:あかねさん

はい、ほとんどみこまさんが作ってます。
ですが、私も制作をする中で気づいたことや感じたことがあったので、備忘録としてここに記しておきたいと思います。

ネタバレがないように書いていますが、箱庭ショコラを遊んでから読んだ方がいいかもしれません…!

どうして箱庭ショコラを作ろうと思ったのか?

きっかけは2021年の夏に行われたShibajukuのプロジェクト「Shibajuku Summer Festival(略:SSF)」でした。

私は「僕らが迷い込んだ世界は夏祭りの果てだった(略:夏果て)」チームで脱出ゲームを作りました。
ゲーム制作が楽しすぎて公開された直後から完全にSSFロスになっていました。

また、夏果てでシナリオを担当したことで、自分の創造した物語が誰かの元に届く感動を知りました。
そこから再び物語を作って届けたいという気持ちが生まれていました。

SSF公開から1ヶ月ほど経ったころ、これらのゲーム制作への熱が全く冷めないままでした。
この気持ちが一時的なものではないと確信しShibajukuのオーナーであるしばさんに相談しました。

しばさんは、そういう気持ちがあるならまた作ってみてはどうか?と私の思いを優しく受け止めてくれました。

ただ、イラストを描けない私一人では作れないのがゲームです。

そこで、
 「実は、みこまさんと作りたいんです。」
と秘めた想いをしばさんに告白し、どうやってみこまさんを口説くかの作戦会議をしたのを覚えています。(笑)

みこまさんとはSSFで同じ夏果てチームでした。
夏果ての素敵なキービジュアル、キャラクターと背景のイラストを描いたのがみこまさんです。

想像していた登場人物の特徴をうまくイラストに落とし込んでくれて、完成したキャラクターを見せていただいた時はすごく感動しました。

そして何より、作りたいものに対して妥協しない姿勢がかっこよくて、一緒に作ったらまたすごくいいものができる!と恐縮ながら思っていました。

しばさんに相談したその日のうちに、みこまさんに、
 「また一緒にゲーム作りませんか?」
と直球でお誘いさせていただきました。

みこまさんは快く「作りたいです!」と言ってくれて、2人でのゲーム制作プロジェクトがはじまったのでした。

恋愛シミュレーションゲームをつくる!と決めていたわけじゃなかった

実は、始めから恋愛シミュレーションを作るぞと思っていたわけではありませんでした。

まず、どんなものを作りたいかをお互いに考えてアイディア出しをしましたが、テーマがなかなか決まらなかったので、ゲームをつくる「目的」から決めることにしました。

夏果てでは自分たちで実装ができず、しばさんにお願いしてしまった部分があったので、今回は「自分たちで実装する」を目的に設定。

自分たちで実装するなら難易度はそんなに高くない(だろう)シミュレーションゲームを作ることになりました。

また、制作期間も4ヶ月くらいあれば作れる(だろう)という見積もりで、プロジェクトが始動した10月から4ヶ月後にあたる2月の一大イベント、バレンタインデーと絡めた恋愛シミュレーションにしよう!という流れでテーマが決まりました。

キャラクターを生むぞ!と思いきや・・・

女子高生を主人公にして男子を攻略する形が決まり、男子高校生のキャラクターを2人考えることになりました。イメージのしやすさと個性の出しやすさから、先輩と後輩という立場まではすぐ決まりました。

しかし、ここからが大変でした・・・。

なんとなくのイメージは湧いていたのですが、私の想像の中ではっきりとした人物像が浮かばず、そのキャラクターの表情が見えない、発する言葉が聞こえないという時間が1〜2ヶ月くらい続きました。

みこまさんも打ち合わせの度に一緒に考えてくれたり、モデルになりそうな漫画のキャラクターなどを教えてくれたりしました。(本当にありがとうございます。)

気付けば2021年も終わろうとしていて、焦りだけが増していました。
何気なく見逃し配信アプリを眺めていたとき、懐かしいドラマが一挙配信になっているのを発見しました。もちろんしっかり一気見しました。

そこで出会ったのが楓先輩のモデルとなった役でした。

楓先輩のイメージのメモ。

明るめの髪で見た目はチャラい。バンドマン。陽キャ。廊下で主人公を見かけると必ず話しかけてくる。
コミュニケーション能力が高く気遣いができるが、弱いところはあまり人に見せない。
友達に呼び出されたらすぐ駆けつけるような情に厚い性格。友人も多い。

余談ですが、ストーリーでは描かれない、でも人柄が分かるちょっとしたエピソードのようなものまで考えています。ここまでしっかり考えると自分の中でキャラクター像がはっきりして、ストーリーを考えやすいからです。

楓先輩を生んだ経験からドラマを見てインスピレーションを受けよう!と、年末年始の一挙配信で色々な作品を見ました。

そこで後輩のハルくん(陽人)のモデルになる役にも出会い、やっっっっっっっっとキャラクター像がはっきりした頃にはもう年が明けていました。
もはや焦りを通りこして開き直っていたような気がします。みこまさん本当にごめんなさい。

(具体的な作品名や役名を記載していないのは、箱庭ショコラを遊んでくださったみなさまの中に生まれたキャラクター像を壊したくないからです。
どうしても気になる方はご連絡いただければこっそりお教えします。)

ハルくんのイメージのメモ。

人懐っこくて甘え上手。あざとく少し強引なところも。生徒会の打ち合わせ中でも主人公と目が合うとニコッとしてくる。
優しく流されやすいとこもあるが、実は自分の意見をちゃんと持っている。

これは裏話ですが、キャラクターの名前には季節に関する漢字を使用しています。
彼らが通う学校の名前も四季高校!あのエンドを見た方はどうしてそうなったか分かっちゃうかもしれないですね・・(ニヤリ)

何度出会ってもキュンとするキャラクターのイラストについては、みこまさんのnoteをぜひ。是非見てください!!!(現在執筆中とのことなのでもう少々お待ちくださいまし。)

なかなか進まないシナリオづくり。分岐とエンドがいっぱい。

恋愛シミュレーションゲーム。テーマはバレンタイン。舞台は高校。

ここまでは決まり、さあストーリーを考えるぞ!と意気込んだのはいいものの、ただ男子を攻略するだけでは何か足りないと感じていました。

そこで出たアイディアが、「バレンタイン禁止」でした。
字面を見てもよく考えても全く意味わかりません。
そもそもバレンタインは許可を得るものでもないし…など色々とつっこみたくなるような言葉です。

でも、その意味の分からなさこそが物語の続きを知るモチベーションになるのではないかと考えました。

起承転結とはよく言ったもので、やっぱり物語は何かが起きてこそ進んでいくのだと分かった経験でした。


物語に沿ったシーンを考える

ここまで決まればあとは具体的なシーンを考えていく作業に入ります。

シーンを考えるときは必ず音楽を聴いています。
作りたい世界観に近い曲を聴いて気持ちから想像の世界に潜り込んでいくような感じです。

例えば、ゲームの戦闘曲を流しながら作業するとなんか強くなる感じがして捗る!とか、アップテンポの曲はテンションが上がる!とかよくありませんか?そんなイメージです。

自分の感情を世界観で浸すと、キャラクターたちはその世界観に合った言動をするようになるんです!
そこで自分が自然とにやにやしてたらそのシーンは採用になります(笑)

今回はバレンタインがテーマの恋愛シミュレーションなのでにやにやが大事です。自分がいいと思えないものは、きっと誰の心にも届かないと思いますし、ね。

ま、これは調子がいい時の話です。
調子が悪い時もあります。むしろ悪い時の方が多いです。

キャンバスがないと何も描けないように、頭や心に余白がないと何にも広がりません。
ただ生きているだけでもどんどん余白は埋まっていくし、何も思いつかず余計に焦ってしまう悪循環はクリエイターあるあるだと思います。

2週間で2〜3行しか進められない、みたいな時もありました…。
そんな状態でもみこまさんは、
 「シナリオ進みましたね!めっちゃいいです!」
と神様みたいな言葉をかけてくださり、本当にほんっっっっっとうに心の支えになっていました。本当にありがとうございます。(大泣き)

あと、個人的にはエンディングを考えるのがすごく大変でした。
とにかくキャラクターの個性にブレがないように、でも見てよかったと思ってもらえるように、10通りのエンドを考えました。

いつも聴いてたYOASOBIのアルバムは聴きすぎてただのBGMになってしまうほど時間がかかりました。(そのあとは優里聴いてました。)

みこまさん任せの実装、悔しさ。

これは本当にあった怖い話ですが、結局シナリオが完成したのはリリースの数日前でした。

そんな状況なので実装は完全にみこまさんにお任せする形になってしまいました…;;

今回の制作目的は「実装」を自分たちでやること。そこに携われなかったことにすごく悔いが残っています。
なので、次回作こそ実装やってやるぞ!という気持ちで今はJSの勉強を進めています。

きっと実装についてもみこまさんがnoteに書いてくださると思うので、ぜひ読んでいただければと思います。

Thank you for playing!

箱庭ショコラをリリースして本当によかったな、と思ったのはやっぱり楽しんで遊んでくれたみなさんの反応が届いたときでした。

感想ツイートだったり、登場キャラクターを推していただけたり、ファンアートまで描いてくれる方がいたり・・みなさま本当にありがとうございます;_;♡
すべての声が私たちの励みになっています。感謝。

次回作は・・・?

ズバリ、あります。(宣言!)
すでに動いていてコンセプトを練っているところです。今回の恋愛シミュレーションゲームとはまた違った雰囲気の作品にしたいと思っています。わくわく。

みこまさんも私も仕事をしながらの制作となるので、皆さんの元にお届けできるのはまだ先になると思いますが、ゆる〜くお待ちいただけるととっても嬉しいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。次回作も楽しんでもらえるよう頑張りますっ!

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Shibajukuブログにも制作裏話を投稿予定です。

ロゴを制作してくれたあかねさんが、制作過程をnoteにまとめてくださっていますのでこちらもぜひ!


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