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第六話「再びハローワーク」2024年5月8日水曜日 曇り

 曇り空。日は射さず気温は低いのに蒸し暑い。昨日の雨のせいか。
 自宅からハローワークまでは徒歩で30分くらい。退職後の運動不足解消のため歩くことにしたが、蒸し暑さでじっとりと汗ばむ。ハローワークに行く日は不快指数が高いのは偶然だろうか。

 前回は失業前の事前相談であったためか、すぐに対応してくれた。今回は離職票が届いての受給申請なのでかなり待たされた。
 対応してくれたのは若い男性職員だった。物腰が柔らかく丁寧な対応だ。
 前回も感じたが、ハローワークの中は非常に穏やかな空気が流れている。失業という傷を持つ者、日々の生活や将来への不安を持つ者への気遣いがある。相談窓口では、終始穏やかで優しい会話が交わされ、時には笑みも溢れていた。イメージと大きく違っていた。

 男性職員から受給の条件などを説明された。
 ・今日から7日間は待機期間で就労不可。
 ・それ以降労働した場合はその日時、収入を正確に申告。
 ・4時間以上就労した日数は失業とは看做されず、受給期間がその分後ろ倒しになる。
 ・4時間以下の就労は支給額が減額となる。
 ・一社につき週20時間以上の就労は就職となる。すなわち支給停止。

 受け取り方はそれぞれだろうが、私には意外に自由度の高いルールだと感じられた。就労禁止なのではなく、複数社にまたがってのアルバイトもOK。その分支給金額は引かれるにしても黙々と求職活動のみというのでは息が詰まる。
 失業手当とアルバイト代を合計してもかなり切り詰めなくてはならないだろうが、悲壮感は薄らいだ。対応してくれた職員さんのお陰でもあるだろう。
 次回の訪所は6月の頭。それまでに新たな人生の方向性だけでも見えていればいいが。

 ハローワークを出ると、曇り空ではあったが蒸し暑さは消えていた。風もそよいでいる。
 上着に袖を通さず、Tシャツに風を受けて歩こう。

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