第八話「個人事業主、法人、それともフリーター」2024年5月10日金曜日 快晴
朝から快晴だ。失業してから下手をすると一日10時間くらいの睡眠時間になった。元々ロングスリーパーだが、これは寝過ぎだ。身体の節々が痛い。昨晩は飲み過ぎてもいないのに身体が重い。鈍ってる。
軽く朝食を済ませて、運動不足解消も兼ねて散歩がてら図書館に行った。
いつか船長とN美さんがもう一度カフェを作る時には合流したいとの思いは強くあるが、いつ実現するかわからない。それまでどう生きていくか。
失業手当をもらいつつ求職活動とアルバイト掛け持ち。船長や相棒の世話、紹介は心から感謝するが、いい歳をしていくらなんでも頼りすぎだ。
船長たちと合流する時には、自分の足で立ってそこに向かわなくては。
何かひとつでも土産というか武器を持っていかなくては。
起業という選択肢もある。そのための情報収集として図書館に行った。『個人事業のはじめ方がすぐわかる本』(ヒューマン・プライム池田直子・小澤薫著 成美堂出版)という本を借りた。第一章が『個人事業開始の決意』となっていた。資金が、計画が、というのではなく『決意』が冒頭にあった。なんの準備もなく失業した私にとって、とても救われる第一章だった。
午後には、役所で起業・創業に関する相談を受けた。そういう相談窓口がある。ありがたい窓口だ。
そこで起業の選択肢(個人事業主か法人か)、融資の選択肢、事業の選択肢(店舗型、店舗を持たない講師業など)、事業承継について教わった。行政が行う無料の起業セミナーがあることも知った。
有意義な時間だった。
決意するにも材料がいる。時間も必要だ。
焦る必要はない。
幸い、時間だけはたっぷりある。いや、あるのではない。船長や相棒にその時間を作ってもらえたのだ。
周囲の人たちの優しさに甘えよう。
役所を出ると、日差しが強くなっていた。風もある。
家まで歩いて帰ることにした。たくさん話して喉が渇いた。
家の近所に最近できた洒落たカフェがある。
アイスアメリカーノが飲みたい。
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