過保護とは何で、どこからで、どんな悪影響が出るか

過保護とは何か

子どもの成長には、適度の放任と、それによる失敗と成功の経験が必須だ。
しかし、過保護、つまり必要以上の管理や手助けをすると、子どもから、自分の責任で失敗して改善したり、成功したりする経験を奪うことになる。

過保護の悪影響

だから、過保護にされると、自分や他者を大切にする方法を学んでいけない。
また、保護者から信用されていないと感じたり、自分でできた成功体験を積めなかったりする。
そうすると、自尊心が育たない。
しかし、脆弱な自尊心を守るため、また表面上は「大切に」されてきたために、プライドだけは高くなる。

自尊心は低いのに、プライドが高い。
そういう人は、自分のせいで問題が起きても、周囲を責めるだけで、一向に自分の問題を解決しようとできない。
それで、改善しないからまた同じような問題が起き、怒ったり落ち込んだりを繰り返す。

尚、そういうことをする人全員が過保護にされて育ったのではない。
過保護にされるとそうなるというだけで、別の原因でそうなる人もいる。虐待とか、いじめとか。
まあつまり、子どもを大切にしたつもりの過保護で、虐待されたのと同じような子どもが育つわけだ。
しかも過保護にされたのが悪いとは認識しづらいので、問題の原因を見つけづらく、尚悪いかもしれない。

過保護はどこからか

では、どこまでは適切な保護で、どこからが過保護なのか。
子ども本人に責のない辛さから守ることは、適切な保護の範疇だ。
子ども本人に責のある辛さを排除したり、本人が今後困ることを適切に改善させようとしなかったりするのが、過保護だ。

どういうことか。
例えば、3歳の子どもが、他の子を叩いてしまったとする。
年齢からして、衝動的に他の子を叩いてしまうのはある程度仕方がない。
でも、本人が悪いし、他の子を叩くままでは良くないし、言えばある程度わかる年齢だ。

この場合の過保護な対応は、
・「うちの子は悪くない」と言う
・相手の子どもや保護者に謝らない
・子どもに謝らせようとしない
・子どもを叱ったり注意したりしない
・叩き返してきた相手の子どもを怒る
などだ。

この場合の適切な保護は、
・相手の子どもが酷く叩き返してきたら、自分の子どもを引き離して守る
・相手の保護者が怒り狂って子どもを傷つけてくることから守る
などだ。
要は、叩いてしまったからといってそこまでされる筋合いがないことからは、守って良い。

尚、例えば、注意されたら癇癪を起こす子どもには、注意をしなくても過保護でない。
そういう個別の事情はある。

過保護に気をつけよう

子どものことを大切に思うあまり、過保護になってしまう心情は理解できる。
また、実際に様々な場面に直面したとき、どこまでが適切な保護でどこからが過保護なのかの判断が難しいこともある。
それでも、子どもを信じ、心が挫けてしまわないように理不尽からは守りつつも、適度に失敗も経験させ、また、可能な範囲で必要な改善はさせよう。

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