“理解のある彼くん”ってただの良くない共依存だよね

“理解のある彼くん”、つまり、精神疾患のある彼女を献身的に支える彼氏、みたいな感じの人たち。
“理解のある彼くん”って言葉がまずなんだか気色悪くて嫌いなのだが、それは良いとして……
そういう存在には大体問題があると思うので、ここでしっかり批判しておく。

まず、恋愛における交際というのは、「互いを一番大切にし合う」という約束をし合うことだと思う。
それで、片方がもう片方を支え、もう片方が片方を蔑ろにする関係は、互いに大切にし合えていない。

それでは、“理解のある彼くん”と精神疾患持ちの彼女の関係がどう成り立っているかというと、共依存でだろう。
つまり、互いに依存しているということ。
どういうことか。

精神疾患持ち彼女から“理解のある彼くん”への依存
こちらはまあ、依存としてわかりやすい。
自分の生きる理由や、精神的・身体的ケア、様々な労力、金銭、その他諸々を、相手に請け負ってもらってしまっているわけだ。

“理解のある彼くん”から精神疾患持ち彼女への依存
一見依存される側にしか見えない“理解のある彼くん”も、彼女に依存している。
わざわざ精神疾患を抱えた人と付き合う理由は、自分より弱い人としか付き合えないとか、人を支えないと自分の存在意義がわからないとか、依存されるくらい強く求められないと不安だからとか、そういう不健康なものだ。

つまり、互いに、自分で払うべき自分自身へのケアのコストを、相手に押し付け合っている。
自分の精神の安寧を、相手からの世話や依存、相手の“強さ”や“弱さ”に委ねている。
不健全で不安定な関係だ。
互いに、互いを一人の大切な人間としてでなく、自分の欲求を叶えてくれる人形として見ている。

“彼”が今ほどは無理して献身的に支えてくれなくなっても、或いはもっと優しくしてくれる人が現れても、“彼”のことが好きですか?
“彼女”が健康になって一人でも生きていけるくらい強くなっても、今みたいに頼ってこなくなっても、“彼女”のことが好きですか?

……いや、まあ、あれですよ。
そうじゃない人もいると思いますよ。
付き合った後に彼女が精神疾患を患ったので支えているとか、精神疾患とか関係なく人として惹かれたとか。ね。
でも、もし少しでも共依存に陥っているなら、どうにか真っ当な関係に修正していってほしいですね。

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