生物:⑤モータータンパクと細胞骨格 by 茶茶 サティ
こんなの知っててさ、いったい何の役に立つんだろう?
そうさ、国公立二次試験か、理系私学の一発試験でしか出番はないさ。
しかし… これがデキたら入学させてやろう…ってんだから、ここは他人よりも点を稼いでゴーカクってやつをもぎ取ってみせようか。
さて…教科書に載るモータータンパクは3種類です。
その内訳は…
ⅰ:アクチンフィラメントには「ミオシン」ですね。
この両者は細胞骨格にも深く関わり、また筋原繊維を構成する成分でもあって、細胞質流動や筋の収縮には欠かせない成分です。
タンパク分子の1つ1つをみることなど到底できませんが、筋原繊維の
明帯と暗帯の集合の様子は光学顕微鏡でなんとか見ることができます。
見る素材は筋肉… でも脂っこいと洗うのが面倒だし、光の屈折率は水
とは異なるし… だからたとえばシーチキン(マグロやカツオのいわゆる ツナ缶)のスープ煮とか水煮系の缶詰がおススメです。
×400倍以上まで上げれば、明帯と暗帯のシマシマまでは見ることが
できるでしょう。
言っときますが、この程度じゃZ膜とか絶対見れませんから…ね。
蛇足です。
唾液腺染色体を観察させると、1割くらいの生徒さんが
「DNAの二重らせん構造が見えた」
とか叫びだしたりするんです。
ミステリーです。不思議過ぎます。
だって光学顕微鏡の分解能(2点識別能力)の限界はせいぜい0.2μm
(マイクロメートル)ですから、見えるワケがないんです。
桁(オーダー)が3ケタは違うのですからね。
ⅱ:微小管には-方向から+(プラス)方向に物質を輸送する「キネシン」
ⅲ:微小管の逆方向、つまり+方向から-(マイナス)方向に向かって物質
を輸送する「ダイニン」
細胞骨格の1つである微小管には、互いに逆方向に物質を運びながら移
動するモータータンパクが2種類あるのです。なお、ここで言う+と-は
単なる方向であって、電気的な正負ではありません。
つまり、
ミオシン
キネシン
ダイニン
その3つのラインアップの頭文字を並べると「ミ・キ・ダ」となります。
そうかっ!
「モータータンパクはだれだ?」
『キ・ミ・ダ!』
こりゃポケモンのサトシみたいですな。 ←『キミに決めた!』でしたね
ⅰのアクチンとミオシンの関係はハックスリ―氏の「滑り説」であまりにも有名ですが、微小管上を移動するモータータンパクは、方向性を問われると途端にココロ細くなってしまいそうです。
そこでここでは移動の方向をはっきりさせておきましょう。
ⅱの「キネシン」は+方向に移動するのでしたね。そこで「キ」の字に注目してみました。
+
+
のように+を2つ縦に並べると 「キ」の文字に見えませんか?
いや見えないワケがないですよね(強引)
ほんでもって今度は「ダイニン」の「ニ」に注目します。
それは… -
-
-を縦に2つ並べると「ニ」の文字に見えませんか?
いや見えないワケがないですよね(W強引)
ⅰ:悪(アク)のチン○に引っ掛かった可哀想なミオちゃん。
ⅱ:+
+ を「キ」に見立てて、+方向へ移動するキネシン
ⅲ:-2つをニに見立てて、-方向へ移動するダイニン
これでなんとかなるでしょう…ね。
細胞骨格の太さというのも地味に聞かれそうなので、一応目安を作ってみました。そんな細かいこと、いちいち覚えてらんないぜ…てなもんですが。
一応細い順に並べると、
アクチンフィラメント:7 nm(ナノメートル)
中間径フィラメント : 8 ~ 12 nm
微小管 : 25 nm
ぬぬぬ… これを覚えろとでもいうのか…
まず「一番太いクセに微小管とは何事ぞっ!」と怒っておいて…
しかしまあ、管だけに、「チューブリン」タンパクがらせん状の弧を描いてチューブ作ってるから、一番太いのは仕方ないか…
中間径は中間だから、これで細さの順は解決です。
太い順に
微小管 > 中間径フィラメント > アクチンフィラメント
ですよね。
では具体的な太さの目安は… どうせマーク式で出るのでしょうから、
多少の誤差は大丈夫です。
最初に目に付いたのが、 アクチンの「ク」と「7」の類似です。幸い他の細胞骨格には「ク」の文字はありません。つまり「ク」のあるアクチンフィラメントの太さは7nm(ナノメートル)ということになります。
もちろん7nmは「ナナナノメートル」と読むのです。
これ以上のヒネリを思いつけなかったので、今度は数字を少々改変してみることにしました。
元は アクチン 7 nm
中間径 8~12 nm
微小管 25 nm
でしたね。
これを アクチン 6 nm
中間径 12 nm
微小管 24 nm
に改変すると、
6、 6の倍、さらに倍 という関係になります。
あらま、なんか簡単じゃん…
課題として、「6」をどうやって思い出すかですが、
「ロクな覚え方じゃねえな」とかではいまひとつでしょうか…
さっき「ク」と「7」の相似性を見つけたので、もうこれ以上は要らないかもしれんなぁ…
な~んていろいろ、あ~でもない、こ~でもないと「アクチン苦闘(悪戦苦闘)」しているうちに、なんかもうだいたい頭に入ってしまいました。
ねぇ、お勉強なんてそんなもんじゃないですか?
やっぱただの丸暗記だけではつまんないし、サティには到底覚えきれませんでした。だからこそ、自分の個性と脳の特性に適した学習法を考え、まずは一ヶ月継続し、評価してみることが大切なんです。
天才(ギフテッド)ではないアナタは、そうやって自らを秀才に育ててください。
え、私(サティ)はって?
もちろん天才じゃないしさぁ…
それにね、そこに気付くのが、ちょっとばかり遅すぎたんだなぁ… テへ
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