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レストラン感想 花小路さわ田

概要

前回の記事にある通り、札幌の割烹を回ってみよう企画第1弾はこちら、花小路 さわ田。

市電東本願寺から徒歩6分ほど。ミシュラン3つ星、ゴ・エ・ミヨにも掲載されており、食べログでも当然に百名店に選出されております。
予約時に色々注文を聞いてくれますが、スタンダードなものを、とだけお願いしました。
北海道において3つ星取った店はモリエール、すし宮川、こちらの3店のみ。前2つは過去に訪れたのですが、ここは初。そのため期待は高まりますが、味覚というのは個人の嗜好によるものが大きいので、なるべくフラットな気持ちで向かいます。
ところでミシュラン北海道版って新しいの出ないんですかね…?直近のものが2017、その前は2014に発刊されていて3年周期なのかなーと思っていたのですが、そのあとは音沙汰ないんですよね。なんでだろ。

料理内容

海老芋とそら豆を揚げたものからスタート。海老芋が出汁の風味とねっとりとした食感で美味。揚げは軽めの印象です。

焼きなすとウニ。双方の味覚がハッキリしつつもどちらも主張しすぎることがないという絶妙なバランス。和食であればなるべく旬のものを…と考えているので、どちらも夏の食材では…?と若干突っ込みたくなりましたが、美味しかったのでまあいいや。

鯖寿司。穏やかな〆具合で、臭みもなく鯖自体の清廉な味わいが楽しめます。鯖寿司にありがちな硬めのご飯ではなく、もっちりしてました。海苔の香りもグッド。まさに三位一体と行ったところで美味しい。個人的な好みで言うなら脂がタップリ載って鯖の主張が強いものがタイプですが、こちらのバランス取れた味わいも乙なものですね。

椀ものはキンキ。強めの調味が施されていると感じましたが、椀種がキンキなことも相まってお出汁の方も力強く、結果として良い塩梅となっています。吸い地の方にかなり脂が流れているにも関わらず、身自体にもまだまだ旨味が残っているのは流石キンキといったところ。下に隠れていた聖護院蕪が隠れてます。

お造りはフグ。とはいえ僕はフグは白子部分を除いてそこまで好きな食材ではないので中くらい。ポン酢が結構酸味強め。

甘鯛の焼き物に青菜餡を掛けたもの。まず甘鯛が美味しいですね。バリっとした焼き目にふっくらした身。餡の方は穏やかな味わいで主役の甘鯛に寄り添います。餡自体の調味は控えめであり、青菜の印象が強い。

タチポン。生で頂くことが多い食材ですが、熱を加えることでコクとクリーミーさがグッとアップしてます。くりやは蒸しでしたが、こちらは焼き。焼き目のカリッとした部分と中央部のトロッとした部分のグラデーション。

鴨の治部煮。味は当然に良いのですが、欲を言えばもう少しサイズをという気持ち。

締めは蕎麦かご飯か両方かと聞かれます。僕は大食いなので当然に両方。
まずは蕎麦から。10割蕎麦のため香り・歯切れともに良く美味。僕は蕎麦はあまり積極的に食べてるわけではありませんが、これは美味しい蕎麦だなと感じました。

黒千石のご飯に味噌汁、香の物。いずれもスタンダードでホッとする味わいです。

余市のりんごシャーベットで爽やかにフィニッシュ。中央部分がシャーベットで、周りはは角切りりんごになってます。

総評

以上のコースが15000円。これに税サが乗っかって18150円。
「抜群に旨い!」と言うより、ブレが少なく堅実で上質、「美味しいなあ…」としみじみと思うようなお店でした。調味ははっきりしたものが多かった印象。
お店の雰囲気としては、店主の方も女将さんもつかず離れずであり、こちらも食事を楽しみながら、取り繕うことなく会話も楽しめるといった感じ。

ただ料理自体はあくまでベースは家庭料理なのかな、と言う印象も受けます。丁寧に、実直に作られており、いずれも間違いなく美味しいのですが、驚きは少なめでした。僕は外食では非日常感を求めているため、自分の好みの方向性とは異なると感じました。

余談ですが12月ということでお土産として黒豆を頂きました。僕は黒豆を普段からお茶請けとして作るくらいに好きなので嬉しい。しかも丹波である。丹波の黒豆、僕のアバウトな舌でも明確に豆の味が濃いと分かるのですが、北海道産に比べて3〜4倍するので、お正月に作る時以外はとてもじゃないけど使えないんですよねー。ありがたい。

ごちそうさまでした。

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